募金のかわりに“ゴミ”を入れるファン
過去にも、一部の者による“もう、それはファンとは呼べない”行為がいくつか見受けられた。2度と同じことが繰り返されないよう、その残念な例をひとつ挙げてみる。
2011年、列島を襲った東日本大震災。
この支援活動の一環として、ジャニーズのタレントが募金箱の前に立ち、協力を呼びかけたことがあった。募金をすれば、目の前でタレントを見られるため、何周もして募金を繰り返す者が現れた。
きちんと募金をするならかまわない。
しかし、中には小銭のかわりに募金箱にゴミを入れ(!)タレントに近寄った者もいたそうだ。
このときも事務所は、「感謝をこめて募金箱の前に立つタレントに対し、向けてくれる気持ちが“ゴミ”なのですか?」という旨の苦言を公式サイトで呈している(※現在は見られない)。あまりにも情けなくて、泣けてくる出来事だ。
会場での身勝手な行動も、募金箱にゴミも、移動中のタレントを追い回す行為も、「本当のファンならば」できるはずもないことである。
知性とモラル、そして他者への敬意を持ち合わせない一部の“モンスター”が、「アーティストが仕事をあきらめねばならない」という、最悪の状況を生み出してしまった。
では、どうすればこの“モンスター”を倒せるのか?
私は「“モンスター”の行為に、うまみなどない」と、彼女たちに思い知らせることだと思う。
アーティストにも、もっと現場で何が起きているか興味を持ってもらい、積極的にファンをしつけてもらっていい。マナー違反をする者にファンサービスしたり、“追っかけとつながる”など迂闊(うかつ)な行為は、「結局やったもん勝ちなのか」と、純粋なファンを心底、傷つける。
真のファンを失望させることは、屋台骨を打ち砕くこと。
根幹が崩れては、アーティストとして高みも目指せまい。
ファンも、アーティストも、このあたりでガチで向き合って、ともに歩むために必要なことを確かめ合うときが来ているのではないだろうか。
<プロフィール>
みきーる/ジャニヲタ・エバンジェリスト。ライター・編集者。
グループを問わずジャニーズアイドルを応援する事務所担。応援歴は25年超、3日に1度は現場参戦。著書に、『ジャニヲタあるある』(青春出版社)、『ジャニ活を100倍楽しむ本!』(青春出版社)など。
◆Twitter @mikiru
◆オフィシャルブログ 『ジャニヲタ刑事!』