「日本の若者は、そのうち時給100円の高齢者と仕事を奪い合うようになる」
「ベーシックインカム(国民全員に一定額のお金を渡す制度)が日本を救う」
──著書『これからを生きるための無敵の―お金の話』で、大胆な未来予想図を描いてみせたのが、ひろゆき(西村博之)さんだ。
他人の視線に縛られず自由に生きる
20年前、米国留学中にウェブ上の匿名掲示板『2ちゃんねる』を開設し、初代管理人として広く知られる存在となった。以来、『2ちゃんねる』はもちろん『ニコニコ動画』など、ネット住民を夢中にさせる場を提供してきた。年収は最高で数億円にのぼったことも……。その自由な発想はどうやって身につけたのか気になるところ。
「自由な発想って、“身につける”ものではなく、年をとるにつれて“失っていく”ものだと思いますよ。子どもは生まれてから数年は好きなように生きているじゃないですか。それが周りの大人にあれこれ止められていくうちに、だんだんと“言われたとおりにしかできない”ようになっていく。僕は親に放置されていたから、そうならなかったんでしょうね」
世の中の同調圧力を受け流し、どこか飄々(ひょうひょう)としているひろゆきさん。
お金に関しても淡白で、お金を使うということにもあまり興味がないという。いったいなぜ……?
「お小遣いをもらっていなかったからかなぁ。みんなはお金を持っているけど僕だけはない状態が当たり前だったんですよ。でも、それで別に困らなかったですね。ゲームは友達に貸してもらえるし、おやつは、友達が『ビックリマンチョコ』のシールだけ取って残ったお菓子をもらっていました。大学時代の弁当も、ごはんだけ持って行って、友達に一品ずつもらうといつの間にか僕のごはんがいちばん豪華になっていたりする(笑)。
服も気にしない。今日着てるシャツも友達からのもらいものですよ。ボトムも太もものところに穴があいていてパンツが見えている(笑)。でも、誰も気づかないでしょ? 他人が何を着ているかなんて、みんな見てないし覚えてないものなんですよ」
それなのに、つい私たちは人目を気にして、化粧品や洋服などにお金をつぎ込んでしまう……。人と比較せず、人目を気にしないことが、少ないお金で幸せになる第一歩だ、とひろゆきさんは語る。