「これは日本古来の動きで、同じ側の足と手が出ます。相撲はパワーだけで取るものではなく、バランスが大事で、すり足で動くことで相手に押されても動かず、体勢が崩れないのです」と先生が説明をすると、みんな、またとても真剣に聞いている。
英語でどう言うのだろう? と耳を澄ませてると、「stand planted」とか「keep wide stance」とか「no head swing」とか「keep your knees out」とか、なんとか。相撲で学ぶ英会話、という本が欲しくなった。
相撲は世界友好にピッタリ
しかし、厳しい! 土俵に沿って円を作って、みんなですり足。通訳さんが持つポールの下をくぐって1,2,1,2って。ギ、ギ、ギブアップ! みなさんは笑いながら初のすり足を楽しんでいらっしゃいましたが、私にはとてもとても……。
休憩をはさんで、ぶつかりの実践を。いよいよ、稽古も佳境で、私もみんなに見守られて先生にくらいついて行く! へっぴり腰っぷりがひどいですが。
先生をとにかく押す、押す、押す。
全力で押すというのは、やってみるとわかるけど、すごい疲れるし、息が切れるし、汗がドッと出る。取組を終えた力士たちが息も荒く、汗だくで「そっすね~」しか言えないの、ものすごく納得した! 私もこの後はハアハアして、口をとがらせ息をするのが精いっぱいだった。
それにしても、ともに土俵で土にまみれる、というのは不思議なもので、連帯感が生まれる。ほんの1時間前まで言葉も通じない、見ず知らずのアメリカ人、日本人、インド人が、まあるい土俵で笑い合い、励まし合い、なんだか仲よくなった気持ちがする。相撲は世界友好に、なんてぴったりだろうか。