《女性の欲望を実現させる女の宴!》。そんなキャッチコピーで、女性視聴者から人気を集めているTBS系のバラエティー番組『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』。だが、収録現場では“男の欲望を満たす”卑劣行為が行われていた―。番組プロデューサーの隠蔽疑惑もある盗撮事件の詳細と、制作スタッフが抱える闇を徹底取材した。
盗撮動画の内容
ふすまで仕切られて鍵のかけられない和室の中で、20代らしき若い男性がカメラをのぞき込む姿が映っている。男性はテレビ番組のADがよくやるように、ガムテープやカラーテープをたすき掛けしたウエストバッグのヒモ部分に通している。ここは、一軒家の撮影スタジオ。別の部屋で撮影が行われ、この和室はスタッフの荷物置き場と、当日の出演者が着替えを行う控室を兼ねているようだ。
映る画像は不自然なほど下からのアングルで、カメラ自体が見つけられないように隠して設置されていることがわかる。少し離れた場所から、手元のノートパソコンで遠隔操作しながら録画状況とカメラの位置を微調整する男性。ベストポジションを見つけたのだろうか、彼が満足げな表情で部屋から出ていくのと入れ替わるように若い女性が部屋に入ってくる。
カメラに気づいている様子はいっさいなく、女性は用意された衣装を確認して、手際よく着替えを始めてしまう。鏡を見ながら胸を両手で寄せてブラジャーのつけ具合を直し、スラックスを脱いでパンツ姿になり……。
この動画には、その一部始終が収められていた。衣装に着替えた女性が部屋から出ていった直後、再び部屋に戻ってきた男性。一目散にカメラを回収した。約15分にわたる動画は、ここで途切れる。盗撮カメラを仕掛ける際の素早い動きと慣れた手つきは、この行為が常習的に行われてきたことを十分疑わせるものだった─。
番組プロデューサーに隠蔽疑惑
男性(以下、A氏)は、某テレビ番組制作会社に所属。数年前からTBS系のバラエティー番組『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(以下、『金スマ』)に現場スタッフとして派遣されたADで、この卑劣な盗撮行為は、この人気番組の収録現場で行われていた。実際の放送回を確認すると、この衣装の女性が笑顔で出演していたのである。しかも、この盗撮問題には続きがある。
「番組プロデューサーもこの盗撮動画の存在は知っているはずです。なぜなら、スタッフたちの間では話題になっていて、誰かがプロデューサーに進言したと聞いています」(制作スタッフ)
だが、盗撮行為がバレたら大ごとになると思ったのか、
「プロデューサーはそのスタッフに“黙っていろ!”と口止めしたとか。つまり、隠蔽を指示していたみたいなんです」(同・制作スタッフ)
そもそも、盗撮はどのような犯罪が成立するのか?
『弁護士法人・響』の古藤由佳弁護士に話を聞いた。
「盗撮を処罰する刑法上の規定はありません。そのうえで、地方自治体が制定する迷惑防止条例違反になることが考えられます」
今回の盗撮が都内で行われたのであれば、
「今回のケースは東京都の条例第5条1項2号の“人の通常衣服で隠されている下着または身体を、写真機その他の機器を用いて撮影”する行為に当たると考えられます。公訴時効は犯罪行為が終わったときから3年です」
どんな刑罰を受けることになるのか?
「1年以下の懲役または100万円以下の罰金が処せられます」
女性出演者が盗撮されていたことに気づいていなければ、被害者不明で逮捕されないということはあるのか?
「迷惑防止条例違反は親告罪ではないので、本件で被害者が不明であることは逮捕に影響するものではありません」
れっきとした犯罪行為をもし番組プロデューサーが指示して隠蔽させたとなれば、『金スマ』の存続に関わるほどの大きな問題だ。