子どもたちの環境は悪化している
宜野湾市の知念涼子さん(44)は「子どもが突然、目の前からいなくなるかもしれない」と思うと、いまも涙が出てくる。
次女を通わせる緑ケ丘保育園で2017年12月7日、米軍ヘリの部品が見つかった。トタン屋根にはへこみが残り、県のカメラには衝撃音が記録されていた。しかし、アメリカ側は米軍が落としたものと認めていない。
園に通う保護者らで作った『チーム緑ヶ丘1207』は、政府に対し、事故の真相究明や飛行中止を繰り返し求めて、要請や交渉を重ねてきた。13万6000筆超の署名も集めた。ところが、なおも米軍機は同市の普天間飛行場から飛び立ち、保育園の上を低空で飛んでいる。事故の真相も「米軍の協力を得られない」として未解明なままだ。
チーム緑ヶ丘・会長の宮城智子さん(50)はこう話す。
「むしろ子どもたちの環境は悪化しています。(米軍普天間飛行場以外に所属する)外来機が増えて騒音がひどい」
騒音は、間近で車のクラクションを鳴らされるのに等しい109デシベルに達するほど。防衛省沖縄防衛局は防音工事や避難所建設を提案してきたが、断った。書記の与那城千恵美さん(46)は「それでは危険性が取り除けない。騒音問題ではなく、命の問題んです」と訴える。
そもそも政府は、子どもたちの上を米軍機が飛んでいることさえ認めていない。
「飛行ルートを守っていないとは言えない。風が強いとその影響でルートからずれる。それが防衛省の回答でした」
と、知念さんはあきれ顔だ。