ミニスカート=「オトコを釣るための服」か

 1992年に放送されたNHKドラマに『オバサンなんて呼ばないで!』というものがありました。脚本は内館牧子センセイで、桜田淳子演じる主人公が、独身のまま30歳を迎え、会社の後輩には「結婚できない人」とみなされ、男性上司には「30歳すぎの女性のミニスカートは勘弁」と言われるなど、現代の基準でいえば炎上必至の筋書きですが、ともかく「30歳すぎたら、ミニスカートをはくな」と繰り返されていました。

 現代においても、アラサーやアラフォーのミニスカートは「イタい」というような記事がネットにあふれています。「トシをとったらミニスカートをはくな」という人は、ミニスカートを「オトコを釣るための服」「下着を見せたい人の服」と曲解しているのではないでしょうか。だから、夫がいて2児の母でもあるユッキーナが、男を欲しがっている、欲求不満でヤバいと叩かれたのだと思います。

 ミニスカートは丈の短いスカートを指しますが、そこにどんな意味を持たせるかは、その人の認知の問題です。

 痴漢や盗撮、のぞきなどの性犯罪を起こし、警察に捕まり、職や家族を失ってもなお、これらの行為をやめられない人がいます。精神科医の榎本稔氏は『やめられない人々 性依存症患者、最後の「駆け込み寺」リポート』(現代書林)内において、彼らを「性依存症という心の病気であり、治療が必要」と書いています。

 榎本医師によると、彼らは、

「ミニスカートなど、露出の多い服を着ている女性は、痴漢をされてもしかたがない」
「妻と長い間セックスレスだから、痴漢することはしかたがない」
「ケガをさせるわけじゃない、触るくらいいいじゃないか」

 といった具合に、自分の行為を正当化する言い訳をするそうです。こういう偏った解釈は認知のゆがみと呼ばれていますが、なぜ認知がゆがむのかというと、社会的要因(女性の地位の低さ、性の扱われ方)や成育環境が関係しているそうですが、犯罪者でない側の人たちも、性に関しての認知はゆがんでいる部分があるのではないでしょうか。