ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長が7月9日に死去してから、約1か月になろうとしている。
芸能マスコミの関心は、すっかり吉本興業の闇営業に端を発する「お家騒動」に移ってしまったが、年末に“芸能界十大ニュース”などで振り返る際には、「ジャニー社長死去」が1位になるはず。ジャニーさんがいなくなることで今後のジャニーズが、ひいては、芸能界全体がどうなってしまうのか。そんなことまで考えさせられるほど、その存在は大きかった。
今後のジャニーズ事務所がどうなっていくのか。ジャニー社長の死去を報じるたくさんのニュースの中で、そのヒントと今後のキーマンとなるものがいくつかあった。
そのひとつが、いわゆる「家族葬」での集合写真。
ジャニー社長の家族葬は、なくなった3日後の7月12日、東京・渋谷のジャニーズ事務所のオフィスや関連会社が数多く入るビルで行われた。ここには滝沢秀明が引退後に社長となった関連会社、ジャニーズアイランドも入っており、葬儀はアイランドの稽古場で行われた。
ジャニーズアイランドは、ジャニーズJr.の育成、プロデュースを担っている。生涯一プロデューサーだったジャニー社長は、中でもJr.を育てることに最も情熱を注いでいた。そのため、Jr.が明日のスターを夢見て汗を流す稽古場こそ、ジャニー社長を天国に送り出す場として、ベストの場所であったのは間違いない。
当日は約150人のタレント、Jr.が参列。TOKIOの国分太一、V6の井ノ原快彦の2人が司会を務め、笑顔いっぱいの明るいムードの葬儀になったという。
葬儀は報道陣にクローズで行われたが、閉式後に各媒体向けに、祭壇を前に勢ぞろいした総勢127人が一堂に会した集合写真が送られた。
その写真で注目だったのは、タレントの並び。思わず、じっくり見てしまった。
なぜなら、綿密に事務所内の序列で配置されているはずだから。メディアによって公開されることを前提にした写真を撮る際に、自由に並ぶということはありえない。事務所からの何らかのメッセージが込められているはず。
それを前提に、具体的に見ていきたい。まず、ジャニー社長の遺影に最も近いセンター最後列に「長男坊」の近藤真彦。その右に少年隊の3人、さらにTOKIOの松岡昌宏、城島茂が続く。
マッチから左に転じると、岡本健一、木村拓哉、そして元光GENJIの佐藤アツヒロ、内海光司、V6の面々やTOKIOの国分、長瀬智也らが顔をそろえている。木村とアツヒロの間に1人分空いた隙間が、実は仕事で欠席した中居正広のスペースだったことが話題になった。
私が興味深かったのは、元男闘呼組の岡本健一の位置。
男闘呼組(おとこぐみ)は、'88年レコードデビューの4人組。バンドの形態を取り典型的なジャニーズのアイドルグループというよりはほぼ本格的なロックバンドといっていい存在だった。音楽的評価も高く当時、光GENJIと人気を二分する勢いがあった。