味わい深い書類入れも
もうひとつ、愛用品として紹介してくれたのが、革の書類入れ。30代のころに仕事で革製品の会社を取材した際、留め具に生稲さんの名前を入れたものを特別に作ってプレゼントしてくれたのだという。
「色違いで4枚作ってくださって、素材もオーストリッチだったりクロコダイルだったりとそれぞれ違うんです。とてもきれいなので私も気に入って、書類があるといつもこれに入れて持ち歩いていたのですが、ずいぶん長く使ったので色が褪せてしまって。
私は物が捨てられない性分なので、今でもこうして大事にとってあります。何しろ私、お菓子が入っていた缶や箱も捨てられずにとっておくくらいなので、家の中は物であふれて大変なことになってます(笑)」
最近は物をできるだけ減らしてシンプルに暮らすのがブームだが、「私には断捨離なんてとてもムリ」と生稲さん。洋服やバッグも1度買ったものは捨てずに長く使っている。
「さすがにおニャン子時代の洋服はもう持っていませんが(笑)、若いころに買ったブランド物のバッグなんて30年近く使っています。でも、今はもう新しくブランド品を買いたいとは思わないですね。
そういうものに興味があったのは20代前半くらいまで。周囲の女の子たちにはグッチやシャネルが人気でしたが、私はみんなと同じが嫌でカルティエを買ったりしていました。
当時は仕事があまりに忙しかったので、買い物くらいでしか精神的な満足感を得ることができなかったのかも。今はそういう物欲はなくなって、買い物といえばユニクロとか、中学生の娘と一緒にH&Mに行ったりするくらい。すっかり庶民派になりました(笑)」