ロケバス内は愛が芽生えやすい!?
気遣いや心配りができなくては務まらない仕事なのだ。そして、都内を毎日、運転するためグルメ情報に精通していることも高ポイント。
「名のあるモデルさんはイメージを大事にして、休憩中の飲食にもこだわりがあったりします。ベテラン運転手ならお店の知識が豊富なので、撮影場所から近いところで希望に沿ったお店を見つけて手配できるんですよ」(Aさん)
さらに、ファッション関係者に囲まれて仕事をしているため洋服のセンスが磨かれ、身だしなみが洗練されている運転手が多いそう。
実際にモデルと交際した経験があるという運転手のBさんは、このように語る。
「ファッション業界は狭い世界です。スケジュールによっては何度も一緒に仕事をしますので、自然と気心の知れた間柄になります。さらにロケバス内は完全な密室でスタッフ同士の距離が近い。待機中はお互いのプライベートな話で盛り上がることもしばしばあります」
現場でいちばんニュートラルな存在で、数少ない男性である彼らは、女性スタッフのよき相談相手となることも。
「ファッション雑誌の撮影は早朝からのスタートがほとんど。撮影の内容によっては深夜から始まることもあります。そのため、なかなか自分の時間が確保できないので恋愛する暇もない。こういう環境だと身近な異性同士で付き合っちゃうんですよね」(Bさん)
仕事はそれなりに恋愛しやすい環境といえるようだ。
「10代のころからモデル業界に身を置く新川さんにとって、ロケバス運転手は頼れる兄のような存在だったんでしょうね。その気持ちが恋愛感情に変わって、積極的なアプローチにつながったんじゃないでしょうか」(Bさん)
洗練された女性と恋愛したい男性にとってはうらやましい環境なのかもしれないが、当然、撮影の仕事はハード。新人運転手のCさんも夢と現実の間で戦っている。
「ロケが続くと寝る時間がどうしても少なくなります。それでも笑顔を絶やさないのが、プロの運転手です」
華やかな世界への憧れだけでは、続けられない厳しさがあるのだ。
「新人は道を覚えるため、毎日、都内を走り回ります。それで運転技術や土地勘を鍛えるんです。ある程度、経験を積んだら撮影現場に出られるようになりますが、こまやかな気配りなどは実践で得るものですから、新人の運転手は常に多忙です」(Cさん)
気になる給料面についても聞いてみると、
「運転手の評価は、いかにカメラマンや雑誌編集者に認められて“指名”されるかによります。信頼されているベテランさんなら、だいたい月40万円以上は稼げるそうです。僕のような新人はかなり安いですが……」(Cさん)
新川の結婚報道以降、Cさんの会社にも面接希望の電話が相次いでいる。
「芸能人と仕事がしたいとかミーハーな気持ちでは続かないと思います。ハードな仕事に負けず、周りとコミュニケーションがとれて撮影の仕事を楽しめる人が残っていける世界です。新川さんのお相手もきっとそんな人なんじゃないでしょうか」(Cさん)
新川は今回の結婚はウソをきっかけに実ったことから“うそつき婚”と称しているが、お相手の仕事に対する実直な姿勢が彼女の心をつかんだのだろう。
その堅実な選択は好感度も大。派手なビッグカップルよりも幸せになれそうだ。