近所の住民からの評判は……
はたして大里さん一家は、恨みを買うような一家だろうか──。近所の主婦は、
「功さんはきょうだいが多く、いちばん上だったので中学校を出て働き、苦労していました。車の免許がないので、徒歩や自転車で通える範囲内の産廃業者や化学製品会社に勤めていました。口数の少ない人で、こつこつまじめに働く人ですよ」
と評する。功さんが働いていた化学製品会社も、
「昔、外国人労働者が数名、働いていたので、コミュニケーションを図るために、仕事が終わったあとにみんなでよく食事に行ったんですよ。ところが、功さんは“妻が手料理を作って待っているのでオレはいいよ”と言って、1度も参加したことがない。それくらい恐妻家というか、愛妻家でした」
妻の裕子さんは功さんより10センチほど背が高く、天真爛漫ではきはきした人のよう。
「彼女は東京から嫁に来た人。食品加工会社や、金属加工会社などでパートを長くしていた。旦那さんを車に乗せて、いろんなところに出かけていました。2人とも、つれあいの悪口や愚痴は聞いたことがないくらい」
と友人は円満ぶりを語る。次男については、
「長男は生まれてすぐに亡くなっているから、戸籍上は次男なんですが、実質は一粒種で、両親から溺愛されて育ってる。まだ独身で、親とも非常に仲がよくて、最近でも仕事を休んで、功さんを車で人工透析に連れて行っていました」(親族)
しかし、裕子さんに関しては昔、こんな話も。
「都会育ちなので、田舎の老人会の古い因習やしきたりにはっきり反発してね。一時期は対立したこともあったけどさばさばした性格なので、後腐れはなかった」(友人)
恨みまで買うような一家ではないようだが、父子がたしなむ「趣味」がトラブルを引き起こしたのでは──という話が地元で浮上してきている。