新しい価値観を先んじて持っていた広末
美少女納税の先輩、広末は2003年、モデル・岡沢高宏と妊娠が先の結婚をします。岡沢がモデルとして本腰を入れているように見えなかったことや、収入格差の点から離婚がささやかれていましたが、実際に離婚。その後、キャンドルアーティストのキャンドル・ジュン氏と2010年に再婚して、3児の母となります。
なぜ広末はわざわざ経済力のない男性を選ぶのかと話題になりましたが、2017年に『踊る踊る踊る!さんま御殿!!超豪華3時間SP』(日本テレビ系)に出演した広末は、家事をしてくれた現夫に「ありがとう」と言うと、「お礼は言わないで」「特別なことをしたわけじゃないから」と恩に着せることはみじんもないそうです。
経済力よりも、夫に家事能力や威圧感のなさ、優しさを求める。これは現代の婚活中の女性が求める条件のひとつです。広末のような美少女税を納めるレベルの芸能人は、今ある価値観に沿うのではなく、新しい価値観を作る力を持っているのではないでしょうか。
人がどう思うかを常に考えて行動するのは、凡人のすること。美少女税を払うクラスの芸能人は、「私の生き方に染まれ」くらいの強さがあることも魅力のひとつだと思うのです。
広瀬が出演した映画『海街diary』は、第39回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞しました。照明や音声といったスタッフも誇りに思っているでしょう。広瀬自身も新人俳優賞を受賞し、若手女優として順調にステップアップしています。
性格には肩書や社会的実績のバイアスがかかることを考えると、成長著しい広瀬と、おとなしいけれど話題にもならず、賞も取れない女優とでは、スタッフにとってどちらが「いい人」なのかは、言うまでもないでしょう。
『週刊女性』が今年行ったアンケート企画「嫌いな女性芸能人」で10位にランクインしてしまった広瀬すず。若くして嫌われるのも、大物たる所以(ゆえん)。外野の声は気にせずに、まい進してほしいものです。……って多分気にしてないと思うけど。
プロフィール
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」。