「幸せな家庭をつくっていい」という肯定感を
「うちの子がLGBTじゃなくてよかった」
という親の言葉に顔色ひとつ変えず耐える当事者もいます。夫婦仲よしの家庭で育てた子が将来、シングルペアレントになるかもしれません。親になれない・ならないかもしれません。
それがたとえ「マイノリティーを認めない!」と主張する人のもとに生まれた子だとしても、等しく「幸せな家庭をつくっていいんだ」という肯定感を持って育ってほしいと思うのです。
幸せになったマイノリティーの家庭はたくさんあるという小さな史実の数々は、次の世代のためにも残しておきたいし、みなさんの近くに今は“変わった人”がいなくても、子どもや孫の世代にはいるかもしれません。そのころには、
「どんな生き方を選ぶ子どもが生まれてきても歓迎だよ」
という声があふれていることを願って、照れくさいことですが、自分の家庭の話をしています。
(文・イラスト/中村キヨ)
中村キヨ・ライター(マンガ執筆の名義は中村珍)●33歳。大阪・東京を拠点に活動。主な作品に『羣青(ぐんじょう)』『レズと七人の彼女たち』など。女性同士の家庭と育児を描いた『お母さん二人いてもいいかな!?』も話題に