第4次安倍再改造内閣で環境大臣に任命され、“電撃入閣”を果たした小泉進次郎。しかし、ニューヨークで開かれる『国連気候行動サミット』に際しての会見で、気候変動問題への取り組みについて「楽しく、かっこよく、セクシーに」と発言。それが世界のメディアで取り上げられてしまうなど、フタを開けてみれば何か雲行きが怪しい──。そんな進次郎氏の“言動”について、漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんとともに考える。
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──環境相デビューして間もないですが、早速『セクシー発言』で叩かれてしまっていますね……。
「普段の記者会見を見ていても何かと別の話題にもっていきがちな進次郎さんなので、例の“楽しく、クールで、セクシーであるべきだ”という発言も、はじめは一瞬、気候変動についてではなく、自分自身に対して言っているのかなと勘違いしてしまいました。
発言をした直後は明らかに会場が“あっ、スベった……”みたいな空気になっていましたよね。あれをみてすごくいたたまれない気持ちになりました。会見をみた世界の人が“日本人は気候変動が激しすぎてちょっとおかしくなったのでは?”と思わせてしまった可能性もありそうです。
その後、“セクシーという言葉はコンサル業界では多用される言葉だ”とニュースなどで目にしましたが、失言のあとにすぐにこういった擁護めいたものが出てくるというのも裏で大きな力が働いているのかな……と感じましたね」
“ハリウッドスター”になりきった?
──もともとあのサミットで進次郎さんよりも「セクシー」という言葉を先に使ったのは、隣に座っていたコスタリカ外交官のクリスティアナ・フィゲレスさんらしいですね。
「テレビではクリスティアナさんを特集し、“ツイッターの語尾にもたびたび『セクシー』をつける人“と放送されていて、彼女のキャラもすごいなと思いました。
気になってどれだけ連発しているのかツイッターを検索してみたですが……言うほどセクシーの単語はみつけられませんでした。彼女には“日本のメディアがあなたをセクシー外交官にしようとしているよ”と教えてあげたほうがいいのかもしれません。
また、ツイートのなかには『#ShinjiroKoizumi』というハッシュタグとともに、進次郎さんと楽しげに写っている写真がアップされているのを発見できました。何かと笑い者にされている彼ですが、クリスティアナさんの心はしっかりつかんだみたいです。日本だけでなく、世界の熟女を次々と虜にしていく……そういった政治活動もアリかもしれないですね」
──これまでの失言(?)の数々を批判する人たちからは、いろいろと勉強不足にもかかわらず、官僚が用意したペーパーを使わないで自分の言葉で話そうとするから失敗するんだ、という声もあがりました。
「ニューヨークの大学院に通われていただけに、“今までの政治家はこんなにくだけた表現やネイティブっぽい言い回しはできなかっただろ”と、日本と世界にみせつけたくて“クール”や“セクシー”という言葉を使ったのかもしれません。
もしくは、現地の文化にも触れていたはずの進次郎さんですから、ハリウッド映画でありがちな、敵との戦闘シーンの前に“パーティーのはじまりだぜ”的な発言をする主人公に影響された可能性もありそうです。わからない・答えられないことを聞かれている危機的状況だからこそ、ハリウッドスターになりきってごまかす必要があったのかも」