また、女性の雑談力は、脳の活性化とアンチエイジングにも関係していると付け加える。
「何よりも孤独が脳や身体の健康によくないことが研究でわかってきています。孤独の解消にも雑談は重要だし、女性は仕事や肩書を超えたフラットな人間関係をつくることがうまい人が多い。
実は、雑談ができるのは、脳の最も高度な能力なんです。AIは雑談ってあまり上手にできない。雑談は女性の強みだし、雑談の中から新しい興味やチャレンジも生まれますよね」
人の無意識に興味を持っていた
この本で茂木さんと対話を重ねた長谷川博一さんは、公認心理師であり、こころぎふ臨床心理センターのセンター長としてカウンセリングを行っている。刑事事件における被告の心理鑑定や、虐待する親のケア、子どもの心理などにも積極的だ。
「僕は学生時代、大学の学生相談所にカウンセリングを受けに行ったこともあるんです。自分自身も生きづらかったし、人の無意識にとても興味を持っていました。
これまでの著書では、たいていは自分を離れた話をしていますが、長谷川さんと話していると、学生のころのカウンセリングの感覚を思い出しました。子どものころのことや自分の中で起こっていることがふとことばに表れてしまうんです。そこに、カウンセラーとしての専門性を感じました」