大人へと成長した宇野昌磨
かつて宇野は、冬季五輪連覇の羽生を尊敬する理由として「守りに入らず、どんどんどんどん、毎年成長していく。同じくらいの位置に自分も行けるようになりたい」と語っていた。その強い思いの表れが、新しい環境のもとでの挑戦なのかもしれない。
「今シーズン、宇野選手は幼いころからずっと育ってきた環境を離れて、自分の可能性に挑戦する道を選びました。この逆境のなかに身を置いた宇野選手には、今までに見られなかった“覚悟”を感じました。ひとりのスケーターとして、大人になったなと思います。そういった気持ちの変化もあるので、必ず結果を出してくると思います」(佐野さん)
これから、異例ともいえる“コーチ不在”でシーズンを戦い抜く。どんな戦いが待ち受けているのだろうか。
「今の段階の実力なら、グランプリファイナルには行けると思います。今はまだ曲に慣れていない部分やミスがあったかと思いますが、どんどん滑り込んで曲になじんでいくことで、ファイナルや全日本選手権のときには、よりよい演技を見せてくれると思います」(折山さん)
宇野のグランプリシリーズ初戦は、11月1日に開幕予定のフランス大会。そのときには、いったいどんな“宇野昌磨”が見られるのだろう。