“ヤバいオジサン”3つの性質
私が思う、性質としてのオジサンとは、
(1)上から物を言う
(2)女性や子どもなど、社会的立場の弱い人を下に見ている
(3)「自分は知っている」というアピールをする
ことが挙げられます。
古舘伊知郎は『おしゃべりオジサンとヤバい女』(テレビ東京系)で、ある女子アナウンサーに「やりたいことは何?」と聞くと、「報道志望です」という答えが返ってきたことから、古舘が「みんなそう言うんだよね」と言ったところ、「報道志望ではいけませんか?」と言われて反省したと話していたことがあります。
女子アナウンサーは、古舘に質問されたから「報道志望です」と本音で答えたにもかかわらず、「みんなそう言うんだよね」と、まるでオーディションの審査員のように「個性がない、つまらない」とでも言いたげな返しをした。これが典型的な(1)です。
先述の「嫌いなアナウンサー」アンケートでは7位だった『情報プレゼンター とくダネ!』(フジテレビ系)の司会・小倉智昭。女子高生が選んだニュースがランキング入りすると「女子高生だけ5位? くだらない」と発言してネットをざわつかせましたが、話も聞かずに、くだらないと感じた根拠を「女子高生だから」と決めつけるのが(2)です。
お笑いコンビ、チュートリアル・徳井義実の個人会社が東京国税庁に所得隠しと申告漏れを指摘された件で、『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)で宮根は「徳井を昔から知っている」と前置きし、「金をチョロまかそうとか、そういうやつじゃない」と発言していました。素直な気持ちでの発言でしょうが、徳井がどんなオトコかは問題ではなく、行動が法に触れているわけです。「自分だけは知っている」「自分の親しい人、好きな人なら擁護してやる」という権力者的な発想が(3)です。
こうしてみると、オジサンの思考というのは権力欲と言い換えることもできるでしょう。ですから、女性の実力者でもオジサンな人はいます。
志らくは“虎の威レンタルオジサン”
志らくも発想がオジサンだなと思うことがあります。それは、物事の価値を説明するときに、権威やブランドを用いるからです。
志らくといえば、師匠である落語界のレジェンド・立川談志さんに可愛がられ、その才能を高く評価されていたそうです。その談志さんについて、彼はこんなふうにツイートしています。
《談志同様糞つまらないと言われた^_^名誉だ。談志と同様という評価。あの手塚治虫に愛され上岡龍太郎、ビートたけし、高田文夫、鶴瓶、さんま、爆笑問題、椎名林檎、桑田佳祐、中村勘三郎にリスペクトされた談志が糞つまらない。そんな耳を持った人に志らくは同様!素晴らしい。》(原文ママ)
140字という少ない字数で、師匠のよさを伝えることは不可能でしょう。だから、大物のお歴々を並べたのだと思いますが、ビッグネームに好かれたらおもしろいのかと言うと、首をかしげてしまうのです。「面白い」という好みを権威で表現するあたり、会社に1人くらいいる、「オレは社長に可愛がられている」「専務がオレを離さない」とアピールする“虎の威レンタルオジサン”と一緒に見えてしまうのです。