やはり嵐、カッコイイ会見だった。
デビュー記念日(デビューシングル発売日)の11月3日、ジャニーズ事務所が所有する東京・新宿区の東京グローブ座で、活動休止までの今後の日程を明かした5人。
「普通のアーティストならニュースにならないことも、彼らならニュースです。インスタグラムやツイッターなど5つのSNSをその日、解禁することを明かしたのですが、これまで一切やっていなかったという出遅れ感を逆に新しい取り組みにしてしまうんですからね。相葉雅紀に至っては、インスタグラムを見たのが会見直前だった、というほどの“デジタルうぶ”ぶり。ちょっとほほ笑ましくなりました」
とウェブ媒体記者。
デジタルをフル活用
会見場へ入る際には、ラベルがはがされどこのメーカーのものかわからないミネラルウォーター1本、帰り際には、オリジナルのクッキー3枚入りの小袋が記者、カメラマン、テレビクルーなど、すべての取材者にわたされ、おもてなしの心を示した。
会見ではSNSの解禁のほか、音楽のデジタル配信、国立競技場でのコンサート、今年12月25日のツアーファイナルのパブリックビューイング、来春の中国・北京公演の開催が明かされたが、
「“嵐スタイル”といっていいものですね。これが成功すれば、次世代へのモデルになる。これまでの芸能界は、解散ビジネスや再復帰ビジネスはありましたが、“活動休止中ビジネス”は、ほぼなかった。嵐はそれをやろうとしている」
そう分析するのは、スポーツ紙デスクだ。こう続ける。
「10月9日に開設した嵐のユーチューブのチャンネル登録者数は、すでに200万人を突破している。ツイッターのフォロワーも200万人近い。よしもと所属の漫才コンビの『ミキ』が、京都市に関連するつぶやき2回で100万円もらっていたことが適切なのかとニュースになっていましたが、嵐の威力はそんなものじゃすまない。
会見で松本潤は、SNSをいつまで続けるかわからないと言っていましたが、グループとしての活動休止中もメンバー個人はつぶやけるし、大野以外は活動している。ユーチューブでも、メンバーが出演しているCMをはさみ込めば、視聴者を逃がさない。デジタルの恩恵を、ガッツリさらっていくことになりますよ」
情報番組デスクからは、こんな声を聞いた。
「活動休止はもちろんしますが、その後の復帰プランについては、何も明らかにされていない。グループとして恒常的に再び活動するのか、あるいは時折コンサートをやる感じに収まるのかわかりません。
どちらにしても、それまでのつなぎとしてデジタルを活用することができれば、ファン離れは防げる。そして現在の5人のような活動よりも“スモールスモール”の活動になる復帰後としても、ファンは納得してくれると思いますよ」
その源泉となるのが、100万人以上といわれるファンクラブの会員。活動休止中も会員に対して嵐の存在感を届け続けることができるツールとして、デジタル媒体は有効な手立てになる。
ユーチューバーとして世界に嵐を巻き起こす嵐の姿が、うっすらと透けて見えた会見だった。
<取材・文/薮入うらら>