――精神的にも苦しい状況下、暁星の結果はいかがでしたか?

「暁星幼稚園合格率90%以上という個人の先生もご紹介いただき、息子も鍛え上げられ、お教室や試験では何とかなるレベルまで仕上がっていたんです。しかし、暁星幼稚園にも不合格。またしても息子の貴重な経歴一行目を失ってしまったのです。

 そんななか、絶望の淵にいた私を救ってくれたのは、ファミリースクールの先生です。特殊なルートを駆使してくださり、“二次募集”という名の裏ルートで超人気ご三家幼稚園に編入という形で入園させてくれたのです! 

 本当に感謝以外の言葉はなく、何度も何度も先生の手を握り御礼を伝え、泣き崩れました。その幼稚園の品のある制服を身にまとう息子は、少し逞(たくま)しくなったようにさえ感じました」

――暁星ではないものの、本来3年保育の超人気ご三家幼稚園に、編入という形で2年次から通うことができるようになったと。次に目指されたのは、やはり慶應幼稚舎ですか?

「慶應幼稚舎は、やはり超名門幼稚園以外からの枠はさほど多くないようで、そのほとんどが卒業生や在校兄弟にあてがわれるという噂を聞き、再度、暁星小学校に挑戦することにしました。

 そこで、やれることはすべてやろうと思い、小学校受験のペーパー難関塾、暁星専門の体操教室、暁星の先生が行う宗教講座、暁星向け個人の先生、そして『ジャック幼児教育研究所』にも通わせました。毎日お稽古を掛け持ちしながら、2年間息子と走り続けました。

 しかし、お稽古の最中は何とか平常心を保てる息子も、私と2人きりになると、暴れ、泣き叫び……寝つくまでは戦場のど真ん中にいるような気分でした」