1951年から続くNHK『紅白歌合戦』。この大型生放送番組には、想定外のアクシデントやハプニングがつきもの。
「加山さんに感謝しなよ」
昭和の時代のハプニングとして今も語り継がれるのが、'86年に紅白初出場、デビュー曲の『仮面舞踏会』で白組トップバッターを務めた少年隊だ。「白組キャプテン」を務めた加山雄三が、フレッシュなジャニーズの3人組を送り出す。
「紅白初出場、少年隊、『仮面ライダー』!」
華麗な「舞踏会」が、カッコいい変身ヒーローになってしまった。
「これは後日談で、当日、少年隊の先輩の近藤真彦が彼らの衣装を見て、『仮面ライダーみたいだな』と言ったことが、加山雄三の脳裏に刻み込まれてしまったのではと、ヒガシが語っていました」(芸能記者)
そのとき東山紀之は、衣装が途中で脱げてしまったりと、さんざんな初出場となったが、故・ジャニー喜多川元社長は、これで少年隊の印象が強く残ったはずと確信し「最高だった。加山さんに感謝しなよ」と語ったという。
'84年には、都はるみの引退という大きな節目を迎えた。歌唱を終えたはるみに、会場からは大きな拍手。それを受けて、総合司会の生方恵一アナが、こう言ってしまった。
「もっとたくさんの拍手を! ミソラ……」
昭和の大物歌手の名字を思わず口にしてしまった。
『紅白』といえば、小林幸子や美川憲一に代表されるように、大がかりできらびやかな豪華衣装が見どころの出場歌手も多い。
話題を集めた衣装のひとつが、'92年出場の本木雅弘。白い液体が入ったコンドームをネックレス状にして首から下げ、さらにお尻も出ており、手には巨大コンドームのようなモノを持って登場した。これは「エイズ撲滅」のメッセージをこめたものだったとか。