見方によっては「放送事故」

 さらに、パフォーマンス面でのハプニングで有名なのが、'90年の長渕剛だ。ベルリンからの生中継で登場し、予定されていなかった曲を含めひとりで3曲、約17分間を独占したため予定を大幅に上回ってしまった。

「当然、その後のスケジュールにしわ寄せがきて、大トリまでの歌手たち全員が短縮で歌唱するという事態になり、現場は大慌てでした」(同前)

 記憶に新しのは、'17年の欅坂46。総合司会の内村光良も参加するパフォーマンスだったのだが、センターの平手友梨奈を含めたメンバー3人が過呼吸のようになり倒れるという鬼気迫るものとなった。

 近年を振り返ると、綾瀬はるか、吉高由里子、広瀬すずといった女優陣の司会者が登場し、噛んだり無言になることがあり、一部で「放送事故」と呼ばれる、不名誉なハプニングも多々発生。

「女優さんは、基本的には台本をきっちり演じることが本来の仕事。秒刻みで状況が変わる生放送は慣れていない人が多いはず。大河や朝ドラに出演した関係で、司会に抜擢(ばってき)されることが多いのですが、審査員にしておけばいいのにという声もありますね」(前出・芸能記者)

 さて、“令和初の紅白”は、はたして無事終わるだろうか。

「ハプニングやアクシデントは生放送ならではの醍醐味(だいごみ)でもありますからね。ある意味、ハプニングで盛り上がるといいですね」(同・記者)

 大みそかまであとわずか。今年はどんなハプニングが待っているのだろうか。

<取材・文/渋谷恭太郎>