最初は浦島太郎状態でした。大河はその時代の最先端技術を導入して番組作りをするのですが、今回はいきなりドローンの登場です(笑)。(ヘリとかの)空撮でもクレーンでもない距離を鳥のように、カメラが飛んでいる様子なんて以前は想像もつかなかった。

 ほかにも、専門的知識と技術を持ったスタッフたちが相当に集結していて、やはり特別規模のドラマ作りなんだと改めて感じました」

『太平記』('91年)、『徳川慶喜』('98年)以来、3度目の大河ドラマに挑む本木雅弘(54)。演じるのは、美濃の守護代で明智光秀の主君である斎藤道三だ。

恥ずかしながら歴史に疎いので、斎藤道三がどんな人物か知りませんでした。最近は便利だから、ネットで調べればさまざまな情報が得られますよね(笑)。

 例えば、道三の言葉をまとめたサイトに《人間思いあがらず何ができようか!》とか“なるほど道三らしい”と思えるような面白いものが多々あって。その人間力の強さなどを感じながら、印象的な言葉を、ノートに書き出したりしています」

 主演の長谷川博己とは、ドラマ『運命の人』('12年)でも共演した。

「当時の長谷川さんは、爽やかで素直で一見、柔らかそうだけど、自信が奥に感じられる人だと思っていて。それが、今回お会いしたときにふと蘇ったと同時に、謎が多いとされている明智光秀の若いころを想像するのにぴったりだなって思ったんです。

 私は出番が少ないのでときどきの参加ですが、撮影のたびに長谷川さんの中で光秀がむくむくと育っていっている感じがしてとても頼もしいんです。役者としても刺激し合えたらという思いで、負けじと道三なりの変化球をぶつけたいと思います

『麒麟がくる』(c)NHK
『麒麟がくる』(c)NHK

■撮影のココが楽しみ!

道三のハゲかつらです(笑)。今回、4Kでフル撮影するので、鮮明な画像に耐えうる特殊メイクで頭をツルッとさせて、シワを入れ60代の道三に。どうなるのか楽しみです。あと、これは楽しみではなく……この先の極寒の時期に合戦シーンの撮影があるんです。それに耐えうるのか、年齢、体力的にもつのか? が、いまから心配です(笑)」