「ヤバい女になりたくない」そうおっしゃるあなた。ライターの仁科友里さんによれば、すべてのオンナはヤバいもの。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」を分析していきます。

 

第36回 加藤紗里

 今月10日、タレント・加藤紗里が昨年9月に結婚した不動産会社社長との離婚を発表しました。YouTubeチャンネルで「(元夫に)3か月で1億円以上使わせた。そしたら、向こうの経営が傾いちゃって。そんなもんで傾くオトコいらないでしょ」と発言。12日に公開された『AERAdot.』のインタビューでは《最低でも月1千万円は紗里のために使える殿方でないと》などと答えてネットは炎上し、ヤバい女だとバッシングされています。

 意図的にディスられてやっていくつもりなのかもしれませんが、もし加藤紗里が「タレントとして」やっていくつもりなら、「全然足りない! もっとヤバくなれ!」と言いたい気持ちになるのです。

「稼げないオトコに価値はない」「結婚相手の年収は〇千万円」と公言して、女性タレントがあえてヒールに立候補することは、めずらしいことではありません。テレビには嫌われ役がひとりいると盛り上がりますから、バラエティーからお声がかかることも多いでしょう。それを見た視聴者から、ネットでもう一度叩かれる。仕事が増えて名前が売れていくわけですから、あえておカネのようなデリケートな話をするのは、話題を集めるという意味では正解でしょう。

 しかし、炎上させて話題になることと、仕事をつかむことはイコールではありません。加藤紗里は12日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)に出演して、離婚のてん末を語っていましたが、特に目新しいこともなく、盛り上がらなかったように私は感じました。

 YouTuberとして話題の人がテレビに出ても、それほどインパクトに残らないことはよくあることです。それはテレビとネットの性質の違いからくるものではないでしょうか。