山ちゃんがコンビを大事にするようになったワケ
しげる「そっかぁ~、そうだよね。一気にブレイクしたもんね」
しず「うん。だから山ちゃん(山里亮太)はコンビとしてうまく笑いが取れてないことに焦っていて、私に苛立(いらだ)ったりとか。すごいストイックな人やから私に強要することが多くなった。山ちゃんは宿題を出してくるんですよ。“明日までに何十個こういうネタ考えてこい”とか。でも私は“なんで同じコンビやのに上から言われなくちゃいけないんだ”って思って。無理やりやらされてる感があって」
しげる「なるほどね~。ふたりの間に温度差があったんだ」
しず「向こうからしたら、“自分はネタ考えて努力してるのになんでコイツ努力してへんのに仕事はいってくんねん!絶対ひきずり落とすぞ!”って(笑)。コンビ間でこんなことおかしいけど、相方がうまく行くことを許せなかったし、余裕がなかったんだって。当時は『フラガール』とか大きくて目立つ仕事は私のほうが多かったから」
――(編集部)「『オードリーのオールナイトニッポン』で山里さんや若林(正恭)さんがおっしゃってたと思うんですけど、番組で一切ツッコマない、バラエティー番組での台本をしずちゃんのトークブロックだけ消すとか、嫌がらせメールを長文で送るとか、コンビでの出演なのに、(しずちゃんに)黙ってピンで出たとかって言うのはネタですか? それとも本当ですか?」
しず「本当です! 私も“そうだったん?”って思う初耳のものもありましたけど(笑)」
しげる「本当だったんだ! でも酷いね。ツッコまないってなると、しずちゃんにピンが当たらなくなるってことだもんね」
しず「MCのトークを南海キャンディーズでやらせてもらったときが大阪であったんですけど、山ちゃんが全部仕切るから私をどうとでもできる。だからスベらすとかもできるし、しゃべらせないことも可能で。私がガンガン前に出るタイプではないので、それで私がひと言もしゃべらずに番組が終わることも。あとから聞いたら“嫉妬だった”って言ってました(笑)」
しげる「でも、素直な人なんだね。。時間は経過したけど、ちゃんと告白もしてくれて。再び仲よくなったキッカケは何?」
しず「ボクシングとかも一つのきっかけ。私がやりだしたころは反対してたし、(タレントの方向性として)“どこへ向かうねん”という感じだったし。でも、ボクシング始めたことでお互いの距離が離れたからこそ相方のよさがわかったというか。今までの自分じゃ通用しないボクシングっていう世界に飛び込んで。さらにド素人の私がオリンピック目指すなんてすごい挑戦だったから、とにかくそのことだけを努力しなあかん状況で」
しげる「孤独だよね。ある意味ね。自分に向き合わなくちゃいけないわけじゃん?スポーツの世界って」
しず「それで山ちゃんが私にお笑いを24時間考えろじゃないけど、そういうことを強要してくる感じが嫌だったけど、ボクシング始めたことで彼が言っていることが初めて理解できた部分もあったので、自分は単に“山ちゃん嫌やな”って思ってたけど、上を目指すにはそういうこともやらなあかん、って思ったり。向こうも向こうで私がホンマに真剣にやってるの見て応援してくれるようになったし。そこらへんからは仲よくなっていくきっかけにはなったのかなと」
しげる「それはいつぐらい?」
しず「この2年ぐらいかも。ボクシングを辞めてから、“もう一回漫才をしよう”ってことになり。私も漫才やりたかったけど当時は完全にボクサーみたいになってたし」
しげる「確かになってたね(笑)。一緒にご飯食べるときに、“走って来た!”とか言って。家から店までのなかなかの距離を走って来たりすごいストイックだなってしげる思ってたもん」
しず「でも、やっぱりボクシング辞めたときに“自分が戻ってこれる場所って芸能界にあるのかな?”ってすごく不安で。仕事もそんなになかったから不安で。でもそんなときに山ちゃんが待っててくれたんです。'18年に年初めて南海キャンディーズの単独ライブやったんですよ。結成15年目で。そのときに初めて、“自由に掛け合いができる”っていう関係性になれたっていうか。“コンビってこういうことなのか!”ってことが初めてわかりました」
しげる「いい話だね~!」
しず「山ちゃんだからこの掛け合いができるっていうことができて。向こうもそれだけ余裕ができて。生かすも殺すも山ちゃんのほうが力があるからできるけど、相方に対しての気持ちがなかった。“この人をツッコんでなんとか笑いを取ろう”ということは相手に対しての思いがないとできないと思うので。でも、山ちゃんがコンビを大事にしている気持ちがそのころはすごく強く感じました」
しげる「しずちゃんと、ご飯したりするときは、誰かほかにもいたりで、共通の話題で盛り上がる感じだったから今日は、“なるほどーー”ってなる話ばかり聞けて面白い! まだまだお肉もお酒も来るからネッ(笑)」