【5】太川陽介(当時58) 「カミさんだもん、僕は信じる」
元アイドルで、旅タレントとしても知られる太川陽介。その妻・藤吉久美子がテレビ局プロデューサーとのダブル不倫を報じられたときには、その代表作がいろいろといじられた。
スクープした『週刊文春』は、藤吉が相手のマンションに行くのに使った交通手段に引っかけて『「路線バス」で不貞へ』というタイトルをつけ、彼女がその前にキックボクシングのジムに寄り道していたことから、それを“途中下車”と表現。また、ワイドショーはヒット曲『Lui-Lui』の「眼を醒ませよ」「きみ 食べられちゃうよ」の部分をBGMとして流した。
とまあ、その時点('17年12月)で結婚から22年というベテラン夫婦だったこともあって、メディアもどこか興味本位だったが、これに対し、太川は会見で、
「カミさんだもん、僕は信じる」
と、キッパリ。数時間後、藤吉も会見を開いて「彼に守ってもらわないと生きていけない」と涙ながらに訴えた。これにより、いわゆる元サヤにおさまったわけだ。
が、面白かったのはその3か月後、藤吉がテレビに復帰したときの姿だ。夫のやっている番組のライバルでもある『路線バスで寄り道の旅SP』に登場。メインの旅人である徳光和夫と「何でもなかったんでしょ?」「もちろんです」というやりとりを交わしたあと、カラオケに寄り道した。そこで彼女は、なんと石川さゆりの『天城越え』を熱唱したのだ。
その選曲について「火に油を注ぐような不倫の歌を歌うなんて」とツッコミを入れる徳光。しかし彼女は「今、主人と2人で週2回カラオケに行っていて。彼が選んでくれました」と平然と答えた。どうやら太川が、うまいと褒めてくれたらしい。不倫はダメだが、不倫ソングならOKということだろうか。また、彼女にとってはこんな歌も聴かせられるくらい夫婦関係はもう盤石なの、というアピールだったのかもしれない。
ただ、このふたりのケースはひとつの教訓を示してもいる。不倫という“途中下車”をしても、その先にある峠を“越え”なければ修復も可能だということだ。とはいえ問題は、峠の場所が夫婦それぞれで、その見極めが極めて難しいことなのだけど。
【6】小室哲哉(当時59歳) 「普通の男性としての能力というのがなくて、精神的な支えが必要だったと思います」
'18年1月、女性看護師との不倫を報じられ、会見を開いた小室哲哉。その内容は異例なものだった。'02年に3度目の結婚をしたKEIKOがくも膜下出血から高次脳機能障害を患い、その介護による疲労、そして自身の体調不良から、サポートをしてもらっていた女性だと説明。それでもケジメをつけるとして「音楽の道を退く」と宣言したのだ。
いわば、自らの音楽家生命とひきかえに言い訳をしたかたちで、当時は文春砲に一矢を報いたとも評された。が、この会見で最も効果的だったのは、この発言だったかもしれない。
「本当にお恥ずかしい話ですが、5年、6年、普通の男性としての能力というのがなくて、精神的な支えが必要だったと思います」
かつて三田村邦彦が高橋かおりと不倫した際「みなさん、エッチしたかどうか聞きたいんでしょ」と挑発(?)したことがあったが、不倫において肉体関係の有無は重要だ。その興味をシャットアウトしたうえで、同情を誘う意味でも有効だった。