経済的に上昇するには、仕事を頑張って年収を上げたり、投資をするという手段が思いつくでしょうが、もうひとつクラシックで手堅い手段があります。それは結婚です。資産家の家庭に育った子どもと結婚して、財産を受け継げばいいのです。

 小木といえば、AbemaTVで『おぎやはぎの「ブス」テレビ』の司会を務めるなど、ブスに対する辛口なスタンスがウリのひとつでもありますが、その一方で、妻はブスと公言しています。日本には身内をあえて褒めないという考え方がありますし、芸人が自分の妻を褒めてほのぼのしていたら面白くないからかもしれませんが、小木の妻は歌手・森山良子の娘です。

結婚で経済的に上昇し“強者”になった小木

『女性セブン』(小学館)によると、森山は2017年、都内の一等地に地上2階・地下1階の3億円を超えるという白亜の豪邸を構えたそうですが、これは小木ファミリーと同居するための二世帯住宅。小木も1億円ほどお金を出しているそうです。売れっ子にふさわしい経済力ですが、1億円では都内にここまでの豪邸は構えられないでしょうから、小木は経済的にだいぶトクをしているといえるでしょう。それに加え、小木の場合は、森山家という芸能一家と姻戚関係を結んだため、結婚によって生活レベルも交友関係も「上に行った」とみていいのではないでしょうか。

 それは本人の努力の賜物(たまもの)ですから、他人がとやかく言うことではありません。しかし、コメンテーターをするのなら、そういう“強者”である自分を捨てきれるかどうかがポイントになってくると思うのです。デリカシーのない発言をすることは、小木の特徴ではありますが、それでも越えてはいけない一線があるはずです。経済的に恵まれない人、生命の危機に一瞬でもさらされた人、信頼していた夫に裏切られた妻など、弱い立場に立たされている人に共感しようとする姿勢がないと、それは単なる見下しになってしまうからです。

 自分は弱者とは無関係だ。そう思っているようなコメントを小木が繰り返すなら、人気芸人というよりも“ヤバいオジサン”と見る人が増えていくかもしれません。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」