今の時代に合わせ“無理”はしない

 とはいえ、昨今のテレビ界をとりまくコンプライアンス環境は、若干の逆風になっていることも否めない。前出の芸能記者と放送作家は、それぞれ、その背景に「時代」の変化を指摘する。

「石橋さんは、後輩芸人やスタッフ、若手女優などをハードにイジることがウケていましたが、今はすぐ『パワハラ』『セクハラ』と言われ、ネットニュースになってしまいます。なので、本領発揮できない部分はあると思います。とはいえ、生き残るためにはキャラ変更や方向性を変えないといけません」(前出・芸能記者)

「時代の流れはしかたないことですが、マイルドな番組では石橋さんのよさを完全に出せるとはいえないでしょう。ロケVTRも、とんねるずさんは基本的に自分たちも参加するロケでしたから、誰かのロケをスタジオで見てコメントするというスタイルの番組は、あまりやりたくないのかもしれません。

 石橋さんはAbema TVに出演していましたから、ギャラの折り合いも含め、いい番組がつくれる環境が整えば、民放以外のメディアでよさを出すことができかもしれませんね」(前出・放送作家)

 一方、とんねるずの特番『スポーツ王は俺だ!!』(テレビ朝日系)は、毎回、高視聴率を記録している。こういった番組をレギュラー化する可能性はないのだろうか。

「スポーツバラエティーは、全体で見ると、実は数字が取りづらいんです。特番ならよくてもレギュラーは厳しいかもしれません。また、秋以降、オリンピックが終わったあとにスポーツ熱が一時的に冷え込む可能性もあります」(前出・放送作家)

 ということで、とんねるずは特番でしか拝めないというわけだ。相方の木梨憲武は、'18年に『みなさんのおかげでした』が終了して以降、レギュラー番組はない。ラジオ番組を1本持っているのみだが、ソロミュージシャンとして始動したり、芸術家としての活動が続いている。

 ふたりそろった姿を見る機会は減ってしまったのは残念だが、4月からの石橋の新番組がどうなるか期待して見守りたいところ。

「石橋さんは芸能界に友達も多いですし、仲のいいゲストと、趣味の話をじっくりやるというのが、今のスタンスに合っているということなのでしょうか。ひとりキャンプの流行もあったり、時代の流れでもありますからね。もう、昔のように“無理”をせず、深夜にまったり見るのにちょうどいい番組になるのではないでしょうか」(前出・放送作家)

 新たな深夜の定番番組となるかどうか……。

<取材・文/渋谷恭太郎>