免許返納に悩むローズ
マネージャーとして支えてくれた母親に、自宅で“辞めたい”と告げた。
「第一線で走り回って、もうたくさんだって思っていた。ただ、母からは “絶対という言葉は使っちゃダメ”と言われたんです。私には歌しかないし、歌をやめたら何もなくなってしまうと心配したんでしょうね。でも、引退後にも仕事のオファーをいただきましたが、全部お断りしました」
地元・桐生での穏やかな生活の末に結婚。2女に恵まれ、現在は娘たちと一緒に暮らす。
そんなローズの生活にある変化があった。今年、ローズが送った年賀状には……。
《やっとゴールド免許証取得です。これで返納 つらいですが仕方ないですね》
'79年には芸能界に復帰し、現在は月に1回、千葉と埼玉で歌謡教室を開く。これまで車で通っていたのだが……。
「最近の高齢者ドライバーによる、相次ぐ事故のニュースを見て、家族や歌仲間が心配するのよ。免許を返納したほうがいいって……」
今回の免許更新で、念願のゴールド免許となり、運転を“納める”ことを決めた。
「最後の運転は、今年1月にローズ会の新年会で千葉へ行った旅行です。運転ができなくなってどうかって? 気楽なものですよ。決めたことですから、もう何も思いません」
大好きだったという車の運転ができなくなることにも踏ん切りがついているようで、あっさりしたもの。じゃあ免許はもう返納したの?
「知人は返納しないで身分証の代わりに持っているって言うのを聞いたの。それで持っていれば3年後の高齢者講習のときに、また車に乗れるじゃない。それが楽しみ。だから返納をやめようと思ったら娘が“お母さん、年賀状に返納するって書いたのにルール違反よ”って厳しくて(笑)。実は、まだ迷っているのよ」
ハンドルを握ることはなくなったが、これからもマイクを持ち、歌い続けてほしい。