「1か月で25日間連続、約50公演が行われていましたが、“若い世代がついていけなくなる”と危惧し、年始公演の初日を遅らせたり、期間を22日に短縮するなどスケジュールを再考しています。そもそも継ぐ役者がいなければ、舞台がなりたちませんからね」(前出・歌舞伎関係者)
また、ぼたんの歌舞伎デビューに関しては、“改革”のほかに海老蔵のこんな思いもあるのだとか。
「親戚関係にある寺島しのぶさんは、海老蔵にとって年の離れた姉のような存在で、今も家族ぐるみの付き合い。歌舞伎役者になりたかったしのぶさんは“舞台に出たい”が口癖で、海老蔵もその話を聞かされていたのでしょう。彼女の夢をかなえるべく、'17年に歌舞伎公演デビューの場として、六本木歌舞伎『座頭市』を用意したのです。もちろん、女形は今後も伝統芸であり続けますが、海老蔵は時代に合わせて女性進出をおぜん立てしているのかもしれません」(前出・歌舞伎関係者)
喜熨斗氏もいずれ、“その時”は来ると話す。
「すぐにとはいきませんが、女優さんが当然のように歌舞伎の舞台に立つ日がいつかは来るのでしょう。そのためにもまずは、“歌舞伎の舞台に立てる女優さん”というのを育てなければいけません。実現には、やはり時間が必要だと思います」
海老蔵、もとい團十郎は名役者とともに、名プロデューサーになるようだ。
3月26日、自身のブログを更新し、新型コロナウイルスの拡大を考慮して襲名披露公演の延期を示唆した海老蔵。観客はもちろん、演者やスタッフの安全と健康を守るのも改革者の務めだ。