この武漢を皮切りとして、その後、イタリア、スペイン、フランス、インド、アメリカなど欧米を中心とした都市で現実のものとなっている。

「一部では、違反者に銃が向けられるような極端な国もありますが、日本ではありえないでしょう。東京は政治と経済の中心なので、東京へつながる鉄道を止めたり、道路を閉鎖して車も止めたり、どこまで実行するのか非常に難しいと思います」(前出・勝田教授)

室内で身体を動かす方法

 日本の場合、今年に入って改正された「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づいて政府が緊急事態宣言を発令。

 全国の都道府県知事に権限が与えられてロックダウンが発令されることになりそうで、その期間はおよそ2週間となるようだ。

 北海道ではすでに独自の緊急事態宣言が出され、大阪では兵庫への移動自粛要請が出されたが、首都で大がかりな制限が加われば、その影響は計り知れない。

 実際、都市封鎖になっても日本の法律では罰則を伴う強制力はないので、最低限の外出はできそうだ。

 週刊女性前号の「コロナうつ」特集でも紹介したように、とりわけ高齢者にとっては外出しないことのほうがリスクになる可能性もある。

 たとえ外出ができなかったとしても、心身にそれに近い刺激を与えることができる方法を佐藤院長に聞いた。

「屋内でもできるだけ身体を動かすことが肝心です。ラジオ体操、ストレッチ、ランニングマシーン、自転車こぎなどをそれぞれの体力に応じてやりたいですね。任天堂のWiiやSwitchには大人から子どもまで身体を動かせるソフトもあるので、売れているようです」

 ベランダや縁側があるお宅では、日向ぼっこをするのもおすすめのようだ。

「日光浴により生成されるビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、骨を強くしてくれます。身体が不自由なお年寄りにはマッサージをしてあげるのもいいと思います」

 病院や買い物などやむをえない外出のときの対策については、医療ジャーナリストが解説する。

「外出自粛や禁止が出た場合は極力、他人との接触を避けるべきです。病院なら予約するか、すいている時間帯に行ったほうが無難です。現在は診察をしなくても薬をもらえる体制になっているので病院に相談してみましょう」