これまで藤井アナは、

《2週間後の未来を変えられるようご協力をお願いします。命より大切な食事会やパーティーはありません》

 と広く呼びかけたり、医療従事者が白い目で見られているニュースが報じた日には、

《医療関係者もひとりの人間です。初めて出会う患者の命を必死に救っています。冷たい視線は今すぐ温かい支援に変えなければなりません》

 と、世間の差別的視線に釘を刺し、危機意識が薄く出歩いてしまう人々には、

《不用意に生活エリアを超えた移動をしないこと、これが誰かのふるさとを守ることにつながります》

 と諭すように語りかけてきた。

 日本テレビの視聴者センターにも藤井アナの言葉への共感のメールや電話も多く、

「毎週、30~40件ほど届いているようです」

 と、前出・テレビ誌ライター。

赤江珠緒も自らの言葉で

 常に視聴者目線で言葉を選び、医療従事者や宅配業者といったコロナ禍に汗をしている人への感謝を忘れない点が、視聴者に好感を持って受け入れられている。

 言葉を尽くさなかった富川アナに対し、言葉を尽くしている藤井アナ。夫が『報ステ』に携わっていたために感染し、妻である自分も感染した赤江珠緒フリーアナウンサー(45)も、夫の陽性が判明した直後に、パーソナリティーを務めるTBSラジオ『赤江珠緒たまむすび』で、家族が感染した際の危機意識や不安などをメッセージとして発信していた。ここでも、赤江を輝かせたのは自らの言葉である。

 誰もが先の見えない不安の中だからこそ、正しく美しい言葉が響く。普段から言葉で発信しているアナウンサーやキャスターだからこそ、有事の際も言葉による真価が問われる。

<取材・文/薮入うらら>