解散や活動休止を公言せずに活動
この先の嵐のあり方について、現在のオンラインでの活動がひとつのヒントになるのではと、前出の芸能ジャーナリストは分析する。
「コンサートも延期され、現状のままでは5人そろっての活動の再開は、当分、先のことになってしまいます。しかし、今回の『ワクワク学校』のように、それぞれのメンバーが個人で活動し、枠としての“嵐”を提示すれば、グループを休止せずにすむのではないでしょうか」
「解散」や「活動休止」とわざわざ公言せずに、それぞれが個人で活動しているグループが、すでにジャニーズ事務所にはいる。それは『少年隊』だ。
「少年隊は、グループとしての最後のCDリリースも、舞台に出演したのも、2000年代が最後です。2010年代はグループ活動を行なっていませんが、現在まで解散はしておらず、『少年隊』というグループは現在も存続しています。もしかしたら、アフターコロナの嵐は、活動休止は撤回するものの、“少年隊化”するかもしれません」
嵐の活動休止のきっかけとなったのは、大野智の「少し休養したい」という希望がきっかけだった。現在の少年隊のメンバーの中では、錦織一清が舞台演出など裏方の仕事に重点をおき、表舞台での活動をほとんど行なっていない。
「大野くんも、錦織さんのように自分の好きなペースで仕事をし、松潤や櫻井くんなどほかのメンバーはこれまでの個人での仕事をより充実させればいいんです。『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)などのグループ番組は、それぞれのメンバーのコーナーを集めた形で構成すれば、番組の存続も可能となります。視聴率が読みづらい後輩グループに番組を引き継がせるより現実的かもしれません」
曲のリリースにしても、5人揃わなくても個人でレコーディングし、のちに1曲として収録・編集することも技術的には可能だろう。
「ファンの“密”の問題が解消されるなら、5つのスクリーンにメンバーが映し出されるビデオコンサートの進化型も実現するかもしれませんね」(前出スポーツ紙記者)
ほかのジャニーズグループも当面は“少年隊状態”になってしまう可能性も考えられるが、グループ活動がどんな形であれ継続されるということは、多くのファンに希望を与えることは間違いない。
<取材・文/渋谷恭太郎>