それから10年がたった2015年、野田に再び大きな転機が訪れる。映画『トイレのピエタ』で俳優デビューすることになり、演技初挑戦ながら、余命宣告された青年役を自然体に演じた。
歌手にして「アカデミー賞」俳優へ
「映画を手がけた松永大司監督は、“野田さんのつくる歌詞、歌の雰囲気、また歌っているライブでの姿を見て、自分が描きたい、生きる死ぬということに対して共感できる歌を歌っている人だと思った”と彼を起用した理由を語っています。また野田さん自身も、“自分にとって大きなハプニングだった”としながらも、自らと重なる脚本に感動し、役を引き受けることにしたということです」(映画ライター)
その結果、『第39回日本アカデミー賞』など、多くの映画賞で新人賞を受賞。表現者としての力を見せつけた。
「2017年にはテレ東系の『100万円の女たち』でドラマ初出演にて初主演を果たしました。野田さん自身は“思い描いていた表現ができなかった、俳優には悔しい思いが残っている。もしまたチャンスがあればそれを打ち消しに行きたい”と心残りな様子でしたが、関係者は口をそろえて“彼の演技はいい”と絶賛していました」(テレビ局関係者)
俳優としての活動は音楽にもいい影響を与えたようで、「柔軟に音楽と向き合えるようになった」とファッション誌のインタビューで語っている。『エール』で演じる木枯についても、
《日本の音楽の礎を築いた方々の人生を、少しながら追体験させてもらえる機会をいただきうれしく思います》
と、公式ホームページで語る。俳優としても才能を開花させるなんて、もしかして“前世”は俳優だった!?