実際にウーバーイーツで配達員をやっている男性に話を聞いた。
「僕は自分自身が飲食店勤務なのですが、店が休業になったので始めました。危険運転は……仕方ないとは思いますね。やっぱり早く届けて件数稼ぎたいって思いますから。前にピザのデリバリーのバイトをしていましたが、そのときは原付なのでナンバーを見て通報されたら“自分”ってバレちゃうので気をつけてました。でも、ウーバーイーツは自転車だし、何か“現行犯”的なことをしなければ自分だとわからないですからね。
頭の隅では気をつけようという気持ちはありますけど、気をつけながらスピード出したり、車がいなかったら赤信号を渡ったりしてますね。運営からは“気をつけましょう”みたいなメールがたまにくるくらいですかね」
子どもの多い住宅街でも
ウーバーイーツ配達員の危険運転について、NPO自転車活用推進研究会の理事で自転車評論家の疋田智さんは、
「そもそもマナー以前の問題で、彼らは自転車のルールを守らないし、おそらく知りません。なかでも右側通行が多いのが問題で、車で左折しようとするときに、曲がった角からサッと出てきて、ぶつかりそうになったことが私も複数回あります。こうしたことは左側通行をしていれば起こりえません。
また、歩道を“どけどけ”と言わんばかりの運転も当たり前で、特に子どもが多い住宅地などでもスピードを落とさないため、見ていてハラハラすることがしょっちゅうです。これでは嫌われるのが当たり前です。
ウーバーイーツは“教育をしている”と言いますが、いったいどんな教育なのでしょう。スマホに“ルールを守りましょう”と流すことは教育とは言いません。きちんと有効な教育をすべきでしょう」
もちろん、すべての配達員の運転マナーが悪いわけではない。前出とは別の配達員の男性は、
「僕は本業はイベント会社で会場の設営を担当していますが、3月からはほぼ仕事が無くなったので始めました。本業が肉体労働ということもあり、ウーバーという“副業”でケガなんかしたらアホらしいので、運転は気をつけています。まぁ気をつけているといっても左側を走る、きちんと左右確認する、混んでいるところはスピードを落とすとか一般的な感覚で守るべきところを守っているくらいですね。
普通にやっていれば人に迷惑をかけることもないと思いますし、“配達員の多くがマナーが悪い”というほどでもないとは思います。一部の人のマナーがすこぶる悪いというか……。事故に遭ったときの窓口とか保険とかよくわかっていないなかでやってる人もいますからね」