ギャルのマインドは一生変わらない
'09年に出した写真集『Non』で当時を、《なんとなく家に帰りたくなくって、どこか遠くに行きたかったんだよね》《今考えてみれば自分を見失っていたんだと思う》と回想したり、’15年に出演した旅番組『アナザースカイ』ではデビューを決めたころについて、「秋田出身っていうことをナメられたくなくて、ちょっとツンツンしてまして、メークも濃くなっちゃうし、自分を晒したくないというのがすごくあって」と答えている。
つまり、女優やアイドルでちらほら見かけるような「過去のいっさいを封印して清楚キャラに振り切る」手法をとらず、「ヤンチャだったころのワタシ」に多少なりとも触れているのだ。昔を全面否定しないことがミソで、こうすることによって第二・第三の矢を防げるというのがポイントだろう。たとえ週刊誌が地元の中高生からヤンキーエピソードをかき集めたとしても、のぞみんがやんわりと認めている以上、「しつこすぎぢゃね? いつまで昔のこと追いかけてんの!」と批判をくらうわけである。
このようにして過去を「あくまでヤンキーではなくギャルだった」とシフトチェンジすることに成功したのだ(たとえ意図的でなくとも)。
思えば、佐々木といえば、“タピオカDM恫喝騒動”で世間を騒がせた木下優樹菜(彼女もまた法的措置を匂わせる発言してたなぁ)の親友であった。20歳のときに前述のギャル雑誌のモデルとして知り合って以来、お互いを“悪友”と呼び合ってきた仲。
かたや自ら過去の武勇伝を語り、バラエティータレントとして“ヤンキーキャラ”を押し出してきた木下優樹菜。一方でモデル系へと転身した佐々木希。タピオカや渡部の不倫の一件は抜きにしても、その後のふたりのファン層や好感度が全く違う方向にむかっていったことも興味深い。もしタピオカ恫喝をしたのが佐々木で、不倫をされたのが木下だったとしたら、世論はまた違うものになっていたのだろうか。
今回の不倫騒動に話を戻す。6月14日放送の『サンデージャポン』で今をときめくギャルタレントのゆきぽよは“佐々木希は離婚しない“と主張し、
《やっぱり佐々木希さんって元ギャルじゃないですか。でもギャルってマインドは一生変わんない。ギャルってそんな簡単に人を嫌いになれない、そんな簡単に人を突き放させないから、ゆきは1回は許して、もっかいチャンスあげるんじゃないかなって思うんです》
もう、ゆきぽよたちの世代にとっては佐々木希といえばヤンキーでなく、ギャルとういう認識のようだ。アップデート完了。
そして6月17日、『文春オンライン』は佐々木希は「離婚をしない決断をした」との記事を配信している。所属事務所関係者の証言によると、《彼女を心配する周囲には『私が彼を立ち直らせる』と気丈に振る舞っている》らしい。
……これが引き寄せの法則ってやつか。名実ともに“元ギャル”になっていたのである。
〈皿乃まる美・コラムニスト〉