ファンをトリコにする魅力の正体
街ぐるみで応援する態勢ができていると話すのは、同じラジオ局でコメンテーターを務める講談師の旭堂鱗林さん。
「'18年に瀬戸将棋文化振興協会が設立されました。将棋の普及と地元棋士を応援する団体で、将棋はわからないけど聡太くんのファンだという女性も多く入会しています。“ソータリークラブ”なんて呼んでいる人もいますよ」
連勝街道を突き進んでいたころ、藤井七段のファッションが話題になったことがある。
「公式戦30連勝をかけた対局で、彼が締めていたネクタイが“おしゃれ”だと話題になったんです。中学生だった聡太くんは対局でも詰め襟の制服でしたから、スーツ用のネクタイはあまり持っていませんでした。父親のネクタイを使いまわしていたんですが、それを知った町の人たちがネクタイをプレゼント。たくさんもらったので、今ではお店が開けるくらい、何十本も家にあるそうです」(応援に来ていたファン)
スーツ姿がサマになってきたのは、地元ファンのおかげだったのだ。
「中学生のころは、彼の持っている財布が話題になりました。マジックテープ式で、お金を出そうとするとバリバリッと音がするんです。イケてない小物の代表とされるもので、当時の藤井七段は身だしなみにはあまり興味がなかったのかもしれません。プロ入りから3年がたって、立ち居振る舞いが洗練されてきましたね」(将棋ライター)
もうすぐ18歳を迎える藤井七段は、大人びた表情を見せるようになった。
「4月に行われたオンライン対局では、正面からの映像が映し出されました。普段は横や斜めからの撮影なので、新鮮でしたね。普段見ることのない私服姿だったこともあり、ファンは歓喜。画面上には“かわいい!”“イケメンだ!”というコメントが飛び交っていましたよ」(前出・スポーツ紙記者)
少年から青年に変わる時期の微妙な色気を感じるのだ。
「対局中はものすごく真剣でキリッとした顔つきなのに、盤外ではほんわかした笑顔を見せてくれる。とっても謙虚で、どこをとっても可愛くて、それでいてカッコいい。そのギャップに瀬戸のお姉さまたちはみんなメロメロですよ」(旭堂鱗林さん)