「日本よりも1000倍よい」
2019年12月、密出国で中東のレバノンへと逃亡した日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告。今年7月、レバノンでの暮らしについて海外メディアの取材にそう語っていた。彼は今、逃亡先でどんな生活を送っているのか。
「逃亡後、自宅から車で1時間ほどの距離にある高級スキーリゾートを訪れたことが報じられ、自由を謳歌している様子です」(テレビ局記者)
妻と2人でホテルの最上階に住み、逃亡中とは思えない優雅な生活を楽しむゴーン被告。しかし、最近は自宅に引きこもりがちのようで……。
「レバノンでは新型コロナの感染拡大を受けて、たびたびロックダウンが行われています」
そう語るのは、現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏だ。人口680万人の小国で、これまで4500人以上がコロナに感染した。
さらにレバノンは今、かつてないほどの経済危機に陥っているという。
武装勢力がゴーンを誘拐!?
「昨年10月から反政府運動が起きていて、政情も不安定です。電気も1日の大半が停電している状態。スーパーからはモノがなくなり、餓死する子どもも出かねません」(宮田氏)
貧富の格差も広がっており、一般市民の富裕層に対する不満は大きい。かつてゴーン被告はレバノンの切手の肖像にもなるほど尊敬されていた。しかし今や、不正な蓄財をして逃げてきた腐敗のシンボルと見なされている。
「お金に困った武装勢力が、身代金目的で誘拐を企てる可能性も否定できません」(前出・宮田氏)
襲撃を恐れ、ゴーン被告は母国でボディガードに囲まれて生活しているという。今後、日本に引き渡され、裁判にかけられることを恐れているのだろうか。