たとえが上手くない皇室関係者

 それは2019年に『女性自身』が、夏のご静養で『那須どうぶつ王国』に足を運ばれた愛子さまを特集したときのもの。現地で合流した愛子さまの“お気に入りのご学友”(毎年同じメンバーで過ごされるようだ)について、雅子さまのファンだという女性はこのように表現していた

「10年前に見たときはのび太くん似だったが東出昌大似のイケメンになっていた」

 顔面にメスでも入れん限り、のび太が東出には化けんだろう。もう少し適切なたとえがあったはずだ。

 つまり、ここで言いたいのは、宮内庁関係者、皇室関係者、皇室ファン、および各週刊誌の皇室担当の記者は「〇〇似をたとえるのが苦手」なのではないか、ということだ。確かに、芸能や事件から料理ネタにいたるまで、ジャンルをこえてあらゆる情報が詰め込まれた週刊誌のなかでも『皇室』は特に専門性の高い分野だろう。もしかすると、担当記者たちは芸能人にあまり関心がないのかもしれない。ワイドショーに出てくる皇室ジャーナリストたちも、いかにもお堅い感じでミーハー心が欠落していそうな方が多いし。

 ゆえに生まれたのが、以下のやりとりだったのではないか。

皇室記者「佳子さまと親しくされていたその男性は誰に似てましたか?」

皇室関係者「うーん……。小室圭さん……です、かね」

「〇〇似」の鉄板である芸能人の顔が全然浮かばなかった人が、苦し紛れにひねり出したのが小室さんの名前だったのではないか、と。このようにして(なのかはわからないが)集まった情報を総合すると、佳子さまの新恋人は「小室さんに激似な高身長の理系男子」という薄いけど濃い謎のプロフィールの人物ということなる。結局、何者なんだよ。

 この人物ははたして本当に実在するのだろうか……? いや、でも、ガセネタを書くくらいなら『正直わからない』と誌面で言いきってしまうような正直者の集まりが“皇室担当”なのだと信じたい。引き続きこの話題を追っていく次第。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉