作中の衣装や髪型にも銀行マンイズムがあらわれている。
「お客様から信頼してもらうためにも華美になりすぎることはよしと思われていません。かといって、地味すぎてもだめ。半沢のスーツは派手すぎず、いつもピシッとしていて、まさに理想の銀行マンの装い。一方、証券会社の森山(賀来賢人)は細身のスーツを着ていましたが、銀行であまり好まれません。しかし、証券会社は株の売買が仕事。顧客に羽振りよく見せるためにも銀行よりも華やかな格好をしている傾向があります」
銀行マンは羽振りがいい印象もあるのだが、
「みなさんが思っているほどの派手さはないです。若い行員たちはコツコツと貯金」
顧客から大切な財産を預かるからこその信頼と誠実さが求められている。
「半沢は根っからの銀行マンですね。仕事ぶりや考え方も。できることなら彼のような仕事をしたかったですね」
と望月さんも憧れる半沢。
半沢が森山に言った、
「大事なのは感謝と恩返し」
半沢の財布への『恩返し』はあるのだろうか。
お話を聞いたのは……望月良友(もちづき・よしとも)さん。独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)。地方銀行で25年以上勤務ののち現職。資産形成・運用・保険・相続および借り入れ等をアドバイス。個別面談のほかオンラインも活用して各種セミナーなどで講師も務める