借金まみれになる人もいる!?

「銀行マンが見ると“あるある”が詰まっているドラマ。非常にリアルです」

 と話すのは元銀行マンでファイナンシャルアドバイザーの望月良友さん。

私も前作の西大阪スチールのような事案に直面したことがあります。宇梶剛士が演じた東田満社長のように計画倒産をして融資をだまし取り、銀行から差し押さえられた人もいました

 ドラマも顔負けの銀行マンの世界。しかし──。

実際は自らの目先の実績や収益、出世ばかりを考える人が多く、大和田取締役のようなタイプも目立つ。半沢のように銀行利益と同様に顧客の利益を尊重する使命感を持つ銀行マンは昔より少ない

 と、ため息をつくのはほかの元地方銀行マン。

「給料を使いすぎて支払いができずに口座を止められてしまったり、借金まみれの銀行マンもいます。特に口座を止められた銀行マンは事件が起きたら真っ先に疑われます。顧客のお金に手を出し、『横領』や『着服』で逮捕される事件は各地で起きています

 とはいえ、多くの銀行マンは堅実に仕事をこなす。

「リアルでは半沢のような次長職でもあれほど自由に各地は飛び回れないですよ。彼のように動けたらなんとかなったと思い出す案件もたくさんあります」(望月さん)

 リアル半沢直樹たちはそんな自分たちとドラマを重ねているのかもしれない。

話を聞いたのは……●望月良友●独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)。地方銀行で25年以上勤務ののち現職。資産形成・運用・保険・相続および借り入れなどをアドバイス