驚くほど父親に似た点が多い伊勢谷
一方の伊勢谷はどうかというと、お父さんに顔以外にも似ている点が多いことに気づかされます。7回結婚したことでもわかるとおり、お父さんはモテるけれども、女性と安定した関係を築けるタイプではなかったようです。一方の伊勢谷は『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)で「女性と一緒にいるとしんどくなる」と発言していますから、「一緒に生活する」という形の結婚には不向きと言えるでしょう。
伊勢谷のDV疑惑が報じられたとき、信じられないという女性の声もありましたが、お父さんも寛斎さんのお母さんに暴力を働いています。幼くして別れたお父さんにここまで似ていることに驚かされますが、伊勢谷自身もお父さんに似ている自覚はあるようです。
2012年に放送された『アシタスイッチ〜MY TIME TO SHINE〜』(TBS系)で寛斎さんと伊勢谷は対談します。伊勢谷が恋愛を繰り返す理由について話が及びますが、伊勢谷は30歳を過ぎ、自分のなかで認識してきた自分の問題は、父からの何かにあるのではないかと思い始め、はじめてお父さんのお墓参りに行ったと話していました。
本人が「何かある」とうすうす思っているとおり、過度の飲酒や暴力をふるう親が子どもに与える影響というのは、決して小さくありません。お父さんと伊勢谷には、以下の4つの事象が見られます。
(1)問題を伴う父親の飲酒癖
(2)父親の母親への暴力
(3)伊勢谷の女性への暴力、薬物乱用
(4)伊勢谷の社会貢献
これらの現象は、世代間連鎖と言われるマイナスのスパイラルである可能性は否めません。飲酒と暴力の因果関係ははっきり解明されていませんが、過度の飲酒が配偶者への暴力の引き金になることはよくあることです。
暴力というと、多くの人が殴る蹴るというように肉体を痛めつけるものを想像するでしょうが、実際は多岐にわたっています。親のアルコール依存症や薬物乱用などの嗜癖(しへき)問題が子どもにもたらす影響について書かれた『私は親のようにならない 改訂版』(クラウディア・ブラック=著、斎藤学=監訳 誠信書房)では、「暴力を実証するような傷はなくても、恐怖で支配されていること」もDVであると定義しています。暴力の目的は痛みを与えることではなく、相手を支配することなのです。