「真夜中に救急車のサイレンが近づいてきたので、ご近所のお年寄りが体調を崩したのだろうと思ったんです。ところが、夜が明けると、周辺に警察官が大勢来ていて“殺人事件があった”という。
それも信じられないことに“あのお宅”で事件が起きたというから、もう、びっくりしちゃって……」
と、事件現場近くに住む女性がその日を振り返る。
通報は県外に住む容疑者の実母
茨城県土浦市西根南の民家で9月17日午前0時30分ごろ、工務店を経営する池田淳(じゅん)さん(41)が同居する妻に刃物で刺される事件が発生した。
110番通報を受け池田さん宅に駆けつけた県警土浦署は、現場にいた妻の会社員・池田純子容疑者(43)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕。
1階で倒れていた淳さんは病院に救急搬送されたが、約4時間後に死亡が確認された。県警は容疑を殺人に切り替えて捜査を進めている。
県警によると、夫婦は飲酒中に口論となり、純子容疑者が自宅にあった包丁で淳さんの腹部を刺したという。
「純子容疑者は夫を刺したことは認めているが、“殺すつもりはなかった”などと殺意を否認している。しかし、110番通報したのは県外に住む純子容疑者の実母。娘から“夫を刺してしまった”と連絡を受け、慌てて通報したとみられる。本人からの通報ではなかった」
と地元メディアの記者。
犯行後に一種のパニック状態になっていたとも考えられるが、腹から血を流し続ける夫をそのままに、すぐ通報しなかったことになる。
翌18日に司法解剖した結果、淳さんの死因は「膵臓(すいぞう)および腎臓の刺創(しそう=刺し傷のこと)による失血死」と判明した。
冒頭の女性が口にした“あのお宅”とは、どういう意味なのか――。