猿岩石の二番煎じ
命がけの旅を1年2か月続け、帰国。猿岩石のようにブレイクするかと思いきや、現実はそんなに甘くなかった。
「帰国してからは“猿岩石の二番煎じ”と言われることが増えて……。帰国してから間もなく、『雷波少年』という番組でロシナンテというロバと旅する企画がスタートしたのですが、今度はロシナンテのほうが人気者になってしまい、僕らは飼育員に近い扱いでした(苦笑)。だから僕らは結局、人気が出ないまま終わってしまった感じですね」
そんな悩みを、ある大物タレントが救ってくれたという。
「やしきたかじんさんの番組に呼んでもらえるようになったとき、“お前らまったくブレイクしなかったなぁ”とかイジってくれて。それでウケたときに気持ちが楽になって、二番煎じと言われても吹っ切れるようになりました」
フジテレビ発のアイドルグループ『チェキッ娘』出演の帯番組のMCを務めるなどコンビの仕事も増えたものの、'03年に解散する。
「もともと相方は役者志望でコンビを組むときも、将来は俳優になりたいと伝えられていました。でも、いざ解散すると言われたときには反対したのですが、“二足のわらじははきたくない”と言われて、解散することに。でも1年ほどたったら、俳優業の傍ら、ちりとり鍋店をオープンし始めて、思いっきり二足のわらじをはいていました(笑)」
そんな元相方に続く形で、石本も'07年に東京・恵比寿に『馬肉屋たけし』をオープンし、俳優活動もスタート。
「上京後に劇団に入っていたことはあったのですが、芝居にちゃんと向き合ったのは、'11年に出演したTBS系のドラマ『南極大陸』です。木村拓哉さん、堺雅人さん……と主演級のすごい方々と北海道で1か月一緒に撮影させていただきました。
そのときに、柴田恭兵さんに“共演者とコミュニケーションをとって演じると、本番では実力以上のものを引き出してくれる”と言われ、実際、一緒に演じたときに実感しました」