大和田が主役のスピンオフ

香川照之さんが演じた、大和田取締役を主人公にしたスピンオフ企画が局内で囁かれています」(TBS関係者)

 2013年に放送された前シリーズでは、冷酷な常務取締役で銀行頭取の座を狙う野心家だった大和田。最終回で横領がバレたことで、今回のシリーズではヒラの取締役に降格していた。

半沢直樹の父親が経営する工場の融資を取りやめ、自殺に追いやった張本人で、半沢の“最大の敵”ともいえるキャラクターです。しかし今シリーズでは、取締役に降格したことで心を入れ替え、半沢と共闘するなど熱い展開が視聴者のハートをつかみました」(テレビ誌編集者)

 大和田をさらなる人気キャラクターへと押し上げたのが印象的な名ゼリフの数々だ。

第2話の“お・し・ま・いDEATH!”や第6話の“銀行沈没! 頭取もチンヴォッツ!(沈没)”は香川さんのアドリブ。最終回の会議室での半沢との会話に至っては、ほぼすべて自分で考えたものだったとか。SNSでトレンド入りするなど、『半沢』を盛り上げた功績も評価されています」(芸能プロ関係者)

 今シリーズの原作となった池井戸潤氏の小説『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』に、大和田の登場シーンはなかったため、スピンオフを作るとなると、ほぼオリジナル作品ということになる。原作に関しての高いハードルがありそうな気もするが、その問題はクリアできそうだという声も。

「『半沢直樹』の演出を務めた福澤克雄氏と伊與田英徳プロデューサーのコンビは、これまで『下町ロケット』『ノーサイド・ゲーム』など池井戸作品をドラマ化し、成功させています。最初の『半沢直樹』のドラマ化の際も、福澤氏は読み通した池井戸氏のすべての著作を紙袋に入れて持参。その熱意に心を打たれた池井戸氏がドラマ化を快諾したという経緯もあり、全幅の信頼を寄せています。ドラマの脚本や演出にはいっさい口を挟まないそうなので、オリジナル脚本でも問題ありません」(前出・TBS関係者)

 その言葉を裏づけるように今年1月にはオリジナル脚本の『半沢直樹 スピンオフ企画 狙われた半沢直樹のパスワード』が放送されている。