本当にJUMPだったら革新的
ジャニーズでは、別名義としての活動を行うことが伝統的に行われている。
たとえばSMAPの「音松くん」や関ジャニ∞の「エイトレンジャー」、堂本剛と国分太一の映画『ファンタスティポ』の役名からきた「トラジ・ハイジ」、ドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)の主題歌で誕生した、亀梨和也と山下智久による「修二と彰」、Kis-My-Ft2の横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣、千賀健永の「舞祭組」などが有名だ。
「関ジャニはコンサートの企画がもとだったり、舞祭組は中居くんが誕生させたユニットですが、これら別名義ユニットの多くはテレビ番組や映画・ドラマなどに連動したものですね。ドラマ『必殺仕事人2009』(テレビ朝日系)の『The SHIGOTONIN』(東山紀之、松岡昌宏、大倉忠義)、香取慎吾と山下智久がドラマ『MONSTERS』(TBS系)で主題歌を歌ったときのユニット『THE MONSTERS』、亀梨と山下の『亀と山P』もあります。東山と森田剛、そして俳優の須賀健太で『愛しのナポリタン』という曲を歌った、『トリオ・ザ・シャキーン』というユニットもありました」(芸能ジャーナリスト)
まだまだある。三宅健と滝沢秀明のデュオ「KEN☆Tackey」や、森田剛と子供たちによる「GOタリモ&ミニカレー」、カップうどん「赤いきつね」と「緑のたぬき」のCMのために結成された、武田鉄矢、長野博、増田貴久、風間俊介、八乙女光の5人による「TU→YU」というものも存在した。前出のジャーナリストが続ける。
「今回の覆面ユニットも、最終的にタイアップがあるのかもしれませんが、現時点でファンによるSNSでの拡散のみの、完全な“口コミ”プロモーションだけです。もしこれが本当にHey! Say! JUMPだとしたら、ネットの活用に消極的だったジャニーズとしては、相当、革新的なものではないでしょうか」
Hey! Say! JUMPがその正体だと仮定した場合、彼らは以前も覆面グループで活動した経験がある。
映画『暗殺教室』シリーズの主題歌を担当した、「せんせーションズ」というユニットだ。これはあくまでも“Hey! Say! JUMPによく似たグループ”ということで、最初から全員顔出しでの活動。過去にSMAPがやった『音松くん』や関ジャニ∞の『エイトレンジャー』に近い企画モノだったが、今回は、「せんせーションズ」とは全く意味合いが違うと前出の記者は言う。
「気鋭の作家陣のチョイスもそうですが、JUMPの大きな武器のひとつである“顔面”を完全に封印したところに、何かの自信がうかがえます。特にキレのあるダンスパフォーマンスを披露している『狼青年』に、顔も名前も隠し、ダンスを純粋に見てほしいという思いも込められている気がします」
果たして、彼らは本当にHey!Say!JUMPなのだろうか。これだけファンが盛り上がったものの、Hey!Say!JUMPに似ているだけで、全く違う人たちだったら、それはそれで話題を集めそうだ。
〈取材・文/渋谷恭太郎〉