心臓フェチの中でも嗜好や度合いは人それぞれだというが、性的興奮を感じることも。
冒頭のA子さんは容疑者から詳しく聞かされていた。
「性交渉のとき男性は女性の服を脱がせて胸をもむと、気分が盛り上がりますよね。彼は胸に耳を当てる行為で同じく興奮し、挿入できる状態になるそうです」
犯行時、容疑者と少女の間に性的行為はなかった。
フェチ界隈ではカリスマ的存在だった
物心ついたころから心臓フェチだったという容疑者。同じ嗜好の人と出会えず性的マイノリティーとしての悩みを抱えていた時期もあった。
筑波大学ではコンピューターサイエンスを学び博士号を取得しており、在学中には農林水産省が後援の論文懸賞で優秀賞を獲得したこともある。
卒業後の’15年に富士ゼロックスへ入社し、エンジニアとして働いたエリート。’18年に退社し「フェチケット」を海外から起業しやすいエストニアと日本の2か国で立ち上げ、貯金を崩しながら、国境を越えてフェチのサービスを展開してきた。
どんなサービスを提供していたのか。元利用者によると、
「『フェチケット』ではユーザーが自身の心音動画、舌や傷痕の写真などのフェチコンテンツを売買できます。世の中には特定のフェティシズムでしか満たされない人が大勢おり、数少ない『自分が否定されない場所』として機能していたと思います」(事件後、サービスは停止中)
HPでは緊縛フェチ、耳かきフェチ、おならフェチ、嘔吐フェチ、風船フェチ、死体フェチなど多様な嗜好がリストアップされていた。
「自身の愛好を隠す人が多い中、天本さんはオープンにしてフェチの理解を広めようとしていて、界隈ではカリスマ的存在でした。“フェチを語る集い”など、イベントもよく開催していた」(元利用者)
経営のかたわらで、容疑者は心音をきくために多くの女性と接触していたようだ。