「大学受験に失敗した男の子が両親から叱責されたことに腹を立て、金属バッドで両親を撲殺する……という凄惨な事件でした。
その一報が入り、ディレクターとすぐに現場に向かうと規制線が張られる前だったこともあり、事件現場を目の前で見ることができたんですよ。2階の現場には水玉のカーテンがかかっていて、よく見たら、模様だと思った部分はすべて血痕。
そんなすさまじい現場を間近で見るのが初めてでしたし、自分にも息子がいたこともあって、すごく考えさせられた事件でしたね」
真摯に事件取材に取り組んできた東海林だが、ネット上では、あるデマがいまだに信じられていることに憤慨する。
死ぬまでに払拭したい「デマ」
'89年に起こった東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件だ。犯人の宮崎勤がアニメなどのオタクであることが報じられたことで、オタクバッシングが起こったが──。
「彼の逮捕直後に行われたコミックマーケットに、TBSのレポーターとして訪れ、そこで10万人を超える参加者を背にして“ここに10万人の宮崎勤がいます!”と発言したというデマがまるで真実のようにネットで書かれているんです。私が当時、出演していたワイドショーはフジテレビですし、局からして違うんです。
私はどの現場でもいいかげんな気持ちで取材したことはないので、そんな発言をするわけがない。このデマだけは、死ぬまでに完全に払拭したいですね。コミックマーケットに取材に行ったことは1回もないですから」
また東海林といえば、“ロッキンママ”の愛称で親しまれるほど、ビジュアル系バンド好きとしても知られている。
「X JAPANにインタビューする話が来たので調べてみたら、そのド派手な見た目に興味を持ったのが最初ですね。それで取材していくうちに、見た目と違って、みんなまじめな部分にハマっていたという感じです」
なかでも、'98年に急逝したギタリストのHIDEさんには強い思い入れがある。