売れっ子俳優が容疑者になった。
ひき逃げ犯として逮捕された伊藤健太郎容疑者(23)。運転していた車でバイクをはねたが現場から逃走。取り調べに対し「パニックった」と供述しているという。
過去の映像は使いたい放題
伊藤容疑者の逮捕で浮き彫りになっているのは、所属する芸能事務所の位置づけだ。
「伊藤は事務所の売れっ子の筆頭で、いうまでもなく稼ぎ頭です。今年9月に、デビュー時に所属していた同事務所に戻ったばかりでした。さあ、これから伊藤で儲けさせてもらうという段階でこの事故は、貧乏くじを引いたようなものです。新聞報道では、違約金が4億円とも5億円とも伝えられていますが、持ちこたえる体力はない。事務所の経営は、かなり厳しくなるでしょうね」
そう同情するのは芸能プロダクション幹部だ。
弱小プロダクションの悲哀は、ワイドショーの報道でも明らかだった。
「伊藤の映像が、普通に使われていました。力のある事務所、例えばジャニーズ事務所なら何があっても過去の映像なんて使わせない。せいぜい、静止画。数日たてば、静止画もNGで、似顔絵になったりする。元SMAPの稲垣吾郎が道交法違反で逮捕されたことがありましたが、静止画だけでした。
それに引き換え伊藤のケースは、過去の映像は使い放題で、その上、車の運転についてしゃべっているシーンまでオンエアされた。芸能界のパワーバランスの悲哀を感じましたね」(前出・芸能プロダクション幹部)
売れっ子だけに、映画会社、テレビ局、CMクライアントなどへの謝罪が、所属事務所にのしかかる。
前出・芸能プロダクション幹部が指摘する「倒産」の二文字が、日に日に現実味を帯びそうだ。
〈取材・文/薮入うらら〉