年の差婚の当事者に直撃!

パターン1.「いろいろなものが違うのでケンカにならない。人生が倍になる」

 人気のバウムクーヘン「マダムブリュレ」で知られる「マダムシンコ」の会長・川村信子さんと、夫の社長・川村幸治さんは、信子さんが20歳年上のおしどり夫婦としても有名。年の差婚のメリットを聞くと──。

「年の差が近いと価値観や生活観が似通ってしまうけど、離れているといい意味でギャップがあります。お互いが知らないことを補完しあえるので、自然と頭が柔らかくなる。そして、相手が自分よりはるかに年下だからといって、人前で年上感を出してはダメ! 立てるべきところは立てる。年の差があることで、かえって尊重する気持ちが強まるんやないかな」(信子さん)

年齢が離れていることによって、いろいろなものが違いすぎるのでケンカにならない(笑)。仕事も一緒にしているため、常に頭を働かせるし、新鮮な気持ちでいられることも大きい」(幸治さん)

「会社のピンチなど、私たちは何度か苦難に立たされたけど、ずっと仲よくやってこれた。お互いに信頼があるからこそ絆ができたんやと思います。幸治くんに『私は80歳になったら老人ホームに入るけど、あんたはまだ60。いい人見つけて一緒になっていいで』と伝えたら、『僕も一緒に行く』って(笑)。最後まで2人で楽しんでいくつもり。年の差があると、人生が倍になった気がします」(信子さん)

川村信子 ◎1951年、島根県生まれ。株式会社カウカウフードシステム代表取締役会長。銀座のクラブのママを経て、焼き肉店をはじめ飲食業を中心に事業を展開、現在に至る。通販スイーツ界の女王、マダムブリュレは“1度食べたら忘れられない味”としてあまりにも有名。

川村幸治 ◎1970年、大阪府生まれ。19歳より東京にてモデル、俳優業などを経て、川村信子と出会い、その後信子会長の下で事業をバックアップする。

 パターン2. 年の差婚の悲喜こもごも。「別れなかったのは意地かも」

 芸能人ではない一般人の場合、年の差婚に悩まされる人も少なくない。Aさんは、25歳のときに25歳年上の会社経営者だった男性と結婚。男性は死去した前妻との間に2人の息子がいたが、新たにAさんとも1女をもうけた。

「80歳すぎて認知症を発症し、10年後に亡くなりました。その間は身の回りの世話と、介護と看取りの人生でした。前妻の子どもたちは何もしませんでしたね。私は父親がいなかったので、父親みたいな夫に惹かれました。お金というより、安心できる人だと思ったから。でも、全然安心できなかった! モテる人だったから浮気もされた。親にも反対されたし、いろいろなところから意地悪をされたけど、別れなかったのは意地かも」(Aさん)

 15歳年上の夫を持つBさんは、「もともと自分より年上が好きだった」と語る。

「夫は再婚。前妻との間には子どもはいませんでした。前の奥さんの浮気と借金で別れたようで、彼は顔は怖いけど優しい人だったので惹かれました。同じ職場で出会ったので、お金持ちだから結婚したわけではありません。お母さんをとても大切にしていて、子どもができたときに、そのお母さんの名前の漢字を入れたいと言われたときは、ちょっと引きましたね(苦笑)。悩みといえば、娘の友達から、夫が“おじいちゃん”と言われることかな。でも、幸せだと思います」(Bさん)

(取材・文/我妻アヅ子)


《PROFILE》
ソコロワ山下聖美さん ◎日本大学芸術学部教授。専門は日本近現代文学。宮沢賢治や林芙美子など。大学では現代ジャーナリズム論も担当。東京とサンクトペテルブルクを両拠点とする。

渡邉裕二さん ◎芸能ジャーナリスト。松山千春『旅立ち〜足寄より』CD、映画、舞台などを企画、プロデュース。主な著書に『酒井法子 孤独なうさぎ』など。