木村拓哉と飯行ってくれない? の真意
このように、マッチはジャニーズ好きなA子さんの前で、事務所内における「圧倒的な立場」と「後輩との関係性」を見せつけたくてジャニーさんの誕生日会に彼女を呼んだのではないだろうか。彼女の知るジャニタレと“自分のポジション”を対比させ、マッチさんの威厳を感じてもらうのが一番手っ取り早いアプローチだ、と考えたのかもしれない。中丸が飲みの席で吊し上げられなかったか心配だ。
また、一連の情報を並べると、ひとつ矛盾が生まれることがわかる。タッキーは幹事の中山優馬をサポートするかたちで「自分がマッチを誘った」と言う。中居はすべらない話で「滝沢が仕切り」との趣旨の発言をしている。だが、『文春』の記事でA子さんの知人はこの誕生日会を「マッチさん主催」と証言しているのだ。どうも話が食い違っている。
この矛盾が示すのはマッチがA子さんに対し「俺が主催したんだ」と話を盛ったのではないか、という疑いだ。タッキーも中居も、嘘をつく意味がまるでない。ただ、マッチにはカッコつける必要がある。A子さんが好きだから──。
『文春』には、マッチが解散前のSMAPについてA子さんに相談をしていたとの記述もある。発言を引用したい。
《SMAPは仲良くなくて、木村(拓哉)が意地悪されているみたい。ジャニーの誕生日会も、中居とかが木村に教えてなかった。今後、木村と一緒に飯に行ってくれない?》
唐突な飯。なぜ。そんなことされても、キムタクからすれば「ちょ、待てよ、誰?」であろう。マッチさんの女ともなれば、ただただ気を遣うに決まっとろう。彼女は彼女でSMAPの不仲について意見などしようがない。
ただそこにあるのは「俺は先輩として木村を心配しているし、頼りにされている。俺が呼べばあのキムタクが飯にくる」そんなマッチの安いアピールだけだ。いつだってジャニーズ力学を匂わせてくる彼は、後輩のふんどしで相撲を取るカッコ悪い先輩になってやしないか。
何はともあれ、文春記者に突撃取材を受けてA子さんをご存知ですか? と問われ、「いや無理無理無理無理」と言い残して逃げ出したことだけは、どう考えてもカッコ悪い。
〈皿乃まる美・コラムニスト〉