年末の風物詩である『NHK紅白歌合戦』のメンバーが発表され、9組の初出場歌手が決まった。
milet『紅白』初出場の背景
プレデビュー曲『Make you happy』のYouTube再生回数が約1億7000万回を誇る9人組のグローバルガールズグループ・NiziU(ニジュー)のほか、SNSのカバー動画から火がつき、メジャーデビュー前ながら大ヒットとなった『香水』を歌う瑛人。ジャニーズ初の同時デビューを果たしたSnowManとSixTONESや、欅坂46から改名した櫻坂46などに混じり、SNSで《紅白の発表で初めて存在を知った》という声が目立ったのが、女性アーティストのmilet(ミレイ)だ。
「生年月日などのプロフィールは非公表。カナダへの留学経験があり、ネイティブな英語の発音で洋楽っぽい曲を歌う実力派ミステリアスシンガーです。暗い曲から爽やかな曲まで……と楽曲の振り幅が広いことも、選出された理由だと思います」(レコード会社関係者)
昨年3月にメジャーデビューを果たすと、デビュー曲がドラマ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)の主題歌に起用されるなど、次々とドラマやCMのタイアップに使われ、知名度を上げている。
「日本の女性アーティストは、あいみょんなどのシンガーソングライターやMISIAなどのディーヴァ系、安室奈美恵さんなどのダンス系歌姫……といくつかのジャンルに分かれますが、milletさんはどのジャンルにも当てはまらないので、特に若い世代には新鮮に映るのかもしれません。
洋楽的な楽曲にネイティブな英語の発音、歌唱力の高さという点で注目を集めているという意味では、宇多田ヒカルさんが登場したときに似た雰囲気を感じます」(音楽ライター)
J-POPに精通している人たちの間では存在感を強めていたmiletだが、『紅白歌合戦』に出場するような今年を代表するアーティストかと言われれば、まだ疑問符がつく。実は彼女が出場を決めるまでには、レコード会社とNHKの攻防戦があったという。
「NHKは毎年秋ごろに、選考の対象になるようなアーティストを各レコード会社からヒアリングする場を設けているのですが、ソニーミュージックはmiletさんを猛プッシュしてきたそうなんです。
ソニーには社会現象を起こしているアニメ『鬼滅の刃』の主題歌を歌うLiSAさんや、今年話題のNiziUも所属しています。NHKとしてはこの2組は“今年の顔”として外せないと思っていたので、miletさんの選出もそういったソニーへの配慮があるのではないかと言われていますね」(NHK関係者)
たしかに昨年から、業界内では“紅白出場の有力歌手”として彼女の名前が挙がっていただけに、初出場を歓迎する声も多いのだが……。
「今年は新型コロナウイルスの感染拡大により、史上初の無観客開催となりました。それに伴い、放送時間も15分短縮したことで、例年より出場できるアーティストが減ることが予想されます。NHKとしてはなるべく事務所やレコード会社に偏りがないように選出したかっただけに、miletさんの出場は当初は予定していなかったといいます。
ただ今年がラストになる嵐の影響なのか、ジャニーズからは異例の7組が出場することになりましたからね。NHKも最終的には、事務所などのバランスより、どうしても外せないアーティストの出場を優先せざるをえなかったのかもしれません」(前出・レコード会社関係者)
正真正銘、実力でつかんだ初出場だということを、大みそかの日にステージの上で証明してほしい!